初めまして、異世界 35
「キラ、だいじょうぶだとはおもうけどいちおうしっかりかくにんしてもいいかな?まんがいちでもキズがあったら、っておもうとしんぱいでむねがいっぱいになっちゃって。キラがだいじょうぶっていってるしフツーにうごいてるからへいきなんだとおもうんだけど、しんぱいはしんぱいだからからだだけおねがいっ、チェックさせて!…ってことで、まずはそのおおきなからだをみやすいようにヨコになってもらってほしいの。おねがいしてもいいかな?」
「うん、わかったよご主人っ。ついでにいっぱい色々撫でて〜」
「はいはい、いっしょにおしりもポンポンしてあげるから」
「わーい」
ゆらりゆらりとしっぽを揺らしながらだいぶ大きくなった身体をしなかやかに弛緩させて静かに横になったキラは、地球にいた時とまったく変わりなく飼い主の贔屓目でなくとも文句無くとてもとても可愛らしい姿だった。
そのまま顔から順々に見て(ついでにあちこち撫でて)手足やお腹、背中にもキズが無いと分かって一先ず安心し最後におしりやとてつもなく長くなったしっぽをしっかり堪能…ではなく注意しながら見て、ようやくキラの言葉が本当だったのだと安堵の息を吐きつつ納得をすると協力してくれたお礼としてしっぽの付け根をポンポンと両手でリズムよく叩いたのだが、果たして、子どもの筋力でキラが満足出来たのかどうか。
ずっとゴロゴロと言ってはいたのだが、途中からこちらの体力が続かず短い時間でおしまいとしてしまったので今後の請求がどうなることか、未来の私のみぞ知ることになるであろう──と考えたところで背中にぶるっと強い悪寒が走ったためにこの問題は後回しとされたのだが、今考えればこの時に地球と同じような行動を取ったことがまずかったのだと後々に大変大後悔することになるのだが、今はただひたすらにキラの可愛さを愛でることでとても忙しい私であった。
「……うん!キズひとつないしケナミもすべすべですごくかわいい!!キラありがとう!なっとくできたからもうおきあがってだいじょうぶだよっ。ほんとうにからだもがんじょうにうまれかわったんだねぇ」
「うん!それにこっちじゃ病気や体調も崩したことがないんだっ。だからどんなものを食べてもお腹をこわしたり吐いたりすることもないんだよ。なっ、ハクロウ」
「そうだぞ!だからこっちでもご主人と一緒のものを食べることもできるし、ビョーインっていう怖いところにも行かなくていいんだ!!!」
「そうそう!!!」
「…………にひきとも、ひっしすぎる」