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目覚めたら、女神様の胸の中 15

「あの、つかぬことを聞きますが、おばあちゃ…じゃない。この辺りで私の祖母を見たりとかは………してませんよね…」


「………」


「あ、いえ!その!何でもないですっ!!」



……あ、危ない危ないっ!

何で私は今、夢で見たからと言って実際に居るかの様にこの人に祖母の存在を確認してしまったのか…!思わず誤魔化すように、一歩、彼女と距離をとってしまった。



(もう鬼籍に入っているっていうのに…)



数年前の事とは言え、いまだに居ないという事実を自分は認められていないのだろうか──。

なんて密かに嘆きつつ、それもこれも元々は夢というか走馬灯を見たせいだと思い出したのだが。



「………あれ……そもそも私、何で生きてるの(・・・・・・・)………?」



先ほど突然、この綺麗な光景がいきなり身近な景色へと変化して。そこから突如、車がこちらへと突っ込んできた──そこは、まぁ経験したのでいい。置いておこう。

…いや、うん、良くはないけどもね…。

肝心要なのは、車が現れてからの一連の流れだ。



(私…以前に同じ目に合ったはず!)



そうだ。

必要以上に怯えていたのも、あの車がこちらに向かってくると分かっていたのも、全部全部それこそ経験上の記憶のせいだったからで。



(──最期に聞いた衝突音でさえ、記憶に残ってるんだもの。私の身体は今はもう大変なことになっているはず…)



背筋をゾッとさせながら、そういえば痛みもあったようなどうだったかなんて、喉元過ぎればなんちゃらな空元気さで最期の時をしみじみと掘り返していたのだが。



「…新咲(さらさ)、もしかして…全てを思い出したのですか…?」



目線の先、期待に満ちた表情でこちらに声をかけてきた彼女に、思わずといった具合いで声をかけられた私は、彼女の言葉にコクリと頷きそのまま肯定の意を口にした。

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