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初めまして、異世界 27

(ま、まぁ、今のは仮定の話しだし。そうそう私のカンが当たるだなんてそんなこと……無い筈、だよねぇ…?)



まだ異世界に降り立ってそれほど時間も経過していない中、改めて考えてみて虫襲撃と女神様の音声不通だけで答えを確定させるのは判断材料が少なすぎる、と私の思考に一旦待てがかかる。

そもそも今居る場所からして、人通りの多い街とは縁遠いというか程遠い森の中に私達は現在留まっている状態なのである。

地球とは勝手が違って、もしかしたら先程のような場面も冒険者としては普通の事なのかもしれない。いや、きっとそうだろう。



(うん、星に異変がある事はわかったもののそれらを全部いっしょくたに結びつけて考えちゃうのは今の段階ではちょっと…ね。早合点し過ぎもいいとこだし、第一冒険者には危険というのは隣り合わせのシロモノでもあることだしね!これから私にも身近なものになるのかもしれないのだから、心構えをしておかなくっちゃっ!!)



自身の仮説があまりに壮大過ぎて、一転して「まっさか〜」と自らの思考を疑念の余地ありと思うどころか、無い無いと現実味の薄い想像だと思う事より何よりも始まりの時点で速攻危ない目に合ってそれが全てのスタートに繋がるだなんて幾らなんでもそれは酷すぎる!幸先が悪い!!と、むしろ気持ちの比重としてはそちらの方に全面に度合いとして傾きまくっていたので、せっかく違う星にと生まれ変わりわくわくする冒険者というトキメキの職業がある(かもしれない)星にと降り立ったのだから、せめて最初だけでも良いスタートを切りたいという一心だけで疑念は残るものの確定させるには早計だと無理矢理思考をブッタ切って、お願いですから今までのことは関連の無い無関係のまったくの別口の出来事でありますよーに!と、誰ともない神仏に祈る形で強く強く願うのだった。





「………ご主じーん!…ダメだ、返事がない。キラ、今ご主人ってどんな状態だ?とりあえずどっちの方角に進みたいかだけ聞いてから歩いていきたいんだけどな」


「あー…、もうちょっとしたら戻ってくると思うよ。ご主人、よくてすと?っていうのの前にこんな状態になってたし、いくら僕が鳴いても聞こえてなかったみたいだから今もおんなじ状態だと思う」


「あぁ、たまにあった『ガンカケしてるからジャマしちゃダメっ』って言われてたあの状態かぁー。ご主人ああなるとこっちを見てくれないからつまらないんだよな。前に何度も身体へ頭をぐりぐりしてみたけど結局撫でて貰えなかった…」


「お前…諦めって文字を知らないのか。ハァ、とりあえずのんびり待ってみるよ。いい?」


「わかったー」



私が必死に願掛けをしている最中、可愛い可愛い二匹が冷静に飼い主の奇行に目を瞑ってくれていた事は、念を送ることに集中していた私には知る由も無い出来事であった。

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