初めまして、異世界 16
(ほんとにもうっ、地球にいた時からちょくちょくケンカはしてたけど結局最後には仲良く寝てたりするんだから!仲が良いなら良いで終始そのままでいて欲しいわっ)
若干げっそりと疲れを滲ませつつ二匹を宥めることに成功した私は、やれやれと額の汗を拭いながら達成感にふへぇとため息を吐いてしまったのだが、まだまだこれからが本題なのだ。
とりあえずどんな内容が聞こえようともどんと受け止めてみせようじゃないかという覚悟でキリッと表情筋を引き締めて説明の続きをお願いするよう頼んだのだが、意外なことに女神様からは地球で読んだ異世界ものの読み物通りの内容──つまりは普通のことしか説明をされなかったのでだいぶ肩透かしを食らってしまった心境ではあったのだが、それでも話しを聞いて現状が一大事には違いない事態であることに変わりはないと気付いて、頭が痛くなる思いでいっぱいではあった。
“──それでは、新咲が得たテイマーというスキルから先に説明を始めていきたいと思うのですが…そうですね。特に大きく異なる点も無く新咲が書物で読んで思い浮かべたテイマーとこちらのテイマーも同じと考えてもらって良いでしょう。能力の内容という点でも地球で言いますところの調教師というものに少し近いと言えば近いのですが、こちらでは手懐けたり飼い慣らすことを能力として発動することが出来ますのでその点が異なるものと思われます。また、新咲の想像通り能力の名称も地球と同じ「テイム」と言いましてテイマーだけの力と言う点で同じものとなるのですが、その中でも特に契約として真名を与え能力以上の強い結び付きで繋がったモノをこちらでは『獣魔』と呼ぶこととなっておりまして、私の星では一貫して共通の認識された能力となっておりますね”
「ほわー、すっっっごくファンタジー!ってないようですね。でもあんまりいわかんをかんじないのはこのほしにうまれなおしたからなのかな?…きょうつうのにんしきってことは、もしかしてぼうけんしゃてきなしょくぎょうやしごとばしょがあるってことなのでしょうか?」
“えぇ、新咲は大変順応性が高いですね。私はますますそんな貴方に好意がたかぶ…!と、いけません。話しが逸れました。コホン、新咲 が伝えてくれました通りこの世界で冒険者とは一般的な職業となります。地球で言うところのさらりーまんやおーえるが近いものとなりますので、本当に身近な職業ということになりますね”
「ほわぁあああ〜!すごーい!!」