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初めまして、異世界 15

“………………まだ(わたくし)は手を出した覚えが無いのですが…そうですね。新咲(さらさ)、覚えておいて頂きたいのですが(わたくし)はそうした行為は合意を頂いた上で正面から堂々と宣言をいたしますので、必ず覚えておいて下さいね”


「え、なんのことをいって…」


“それからキラが契約によって魔獣となりましたのは、元々新咲(さらさ)が地球で過ごした経験がこちらでは能力となって開花したことですので生まれ持った才能ということとなります。テイマーとしての資質だなんて新咲(さらさ)らしいと(わたくし)は思いますよ”


「チキュウですごしたけいけんがのうりょくのもととなる……?ええっと、メガミサマ。くわしくきかせてもらってもいいで」

“ええ、もちろん!!”



若干こちらの語尾に食い気味に即答をされてしまったが一先ず説明はしてもらえるようで、どうにか安堵の息が漏れた心境だった。

簡単な名前を付けるという行為から始まった事だったのに、何故あいだに捻りどころか三回転四回転ものフルコースを付けて着地点が変化してしまうのか。

転生直後からこんなに激しい振り幅では一般市民からますます遠ざかってしまうと強い危機感を募らせると共に、元々自分が持っていた能力が引き起こしたことを女神様の力が原因だと考えてしまったことに罪悪感を覚え分かりやすく語尾がすぼんでしまったのだけれど…本人には気付かれていないようだ。



(あとで折りを見て謝らなきゃ!とりあえず今は先に説明を聞いて、自分で自分の能力を把握して同じ事を繰り返さないようにしておかないと…)



必死になってこっちの世界のことを考えていた私は気付いていなかったが、隣りではキラとハクロウが訝しげにひそひそと女神様について不審な様子をあらわに言葉を交わしていたのだが…二匹の姿に気付くことはついぞ無いも同然ではあった。



「…あのメガミ、さっき僕の頭に語りかけてきて契約の仕方を流暢に教えていたのに、それをご主人に話す様子がヒトカケラも感じられないな」


「…俺にも喋ったらダメだと今念押しされた。なぁ、メガミってご主人の傍に置くにはあんまり良くないモノか…?」


「…………いざという時には全力でご主人を守りながらメガミを遠ざける…!!」


「どうやって…?」


「………後で!後で考えるから!!」


「俺もどうすればメガミに勝てるのか考えてるけど……返り討ちにあう想像しか浮かばない……」


「イヤな事を想像するな!」



ふと気付いたら隣りがニャーオーワオワオと五月蝿く、また軽いケンカを二匹が始めてしまっていたので仲裁するのに一苦労してしまった。

まったく、飼い主がこれだけ害が無いようにと気を揉んで考えているのに、飼い主の心犬猫知らずとは困ったものである。

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