目覚めたら、女神様の胸の中 114
(そんな大したことが出来る筈も無いけれど、でも…)
「──…女神様は本当に優しい神様なんですね。そこまでして傷付いて悲しい思いをしても、星への関わりを諦めようとしないんですから」
「それは…っ、私が創った惑星ですから育成を続けるのは当然かと……」
「そうですね。でもそれでも、です」
「?」
こちらの肯定と続いた言葉に、まるで言いたいことの検討が付かないといった様子で不思議そうに見つめてくる彼女へ、幼子のような仕草がとても可愛らしいと思いつつ小さな子も分かりやすく理解できるようかみ砕いては、彼女の偉業をたたえるべく両手を腰にやり胸を張りながら堂々とその偉大さをアピールできるようはっきりと理由を口にし伝えるのだった。
「女神様は自分で星の住人に愛を感じなくなったと言っていましたが、そんな事はありませんっ!現に今も星の様子を憂いていますし、何よりこうして私が此処に居ることが証拠になります!!…今はたぶん、色々体験して深い愛情に雲がかかってしまって見えにくい状態なだけなのだと思いますよ。だから、自分の気持ちに自信を持ってあげて下さいっ」
「………!」
「…あと、神様だからって完璧じゃなくても良いと私は思います。地球の神様だって色々人間臭い逸話ややらかしがいーっぱいあってそれが魅力にもなっているんですから。女神様も神様で言うところの新人さんっていうことになるんですよね?それなら失敗してわからなくなる事も、自分がまいってしまう事も気持ちが揺らいでしまうことも当然だと思います。それなのに関わりを絶やさず関係を保っていっている事が凄いと言うか……って、人の基準でモノを伝えてしまっていますね。えぇと…要はつまり初めての体験ということは経験が無いイコール無の状態という事ですから、これから深く深く星のことを知って関わっていくことは可能なんじゃないかと思いまして…。先に辛い思いや経験も知ってしまって今もまだ星の異常を見つけられなくて八方塞がりの状態ですから気持ちが付いていけてないのも当然かもしれませんが…それでも、その体験以上にこれからの付き合いで原石にも似た自分だけの輝くものを得られるかもしれないですし、女神様はきっと手にできると断言できます!だって、今までの経験を経て嫌だって気持ちになっても自分の星を大事にしたいって端から見ていても分かりますから。そんな女神様が報われないなんてことはあり得ないです!」