謎の箱と開封の儀
引きこもり生活を続ける彼、あおばはいつも通りにゲームを楽しんでいた。
どこかの家の二階の一室。部屋にカチカチとコントローラーを押す音がする。今はゲーム中だ。
「っし!かったーーー。」
コントローラーをそばに置いて天井を見上げ、一息ついた。
「ああ、めんどくさい」
1人だけの部屋でつぶやきが響く。ふとそう思った。
私はあおば。中1だ。私はこの部屋で7ヶ月目を迎える引きこもり生活をしていた。さすがに手持ちのゲームもネタがつき、ずっと同じことを繰り返す日々を続けてたからだろうか。私は人が嫌いだ。どんくらいかっていうと、中学校入学式校門前まで行って逃げ出してきたくらい。まあ、なにがあったかは察してくれるとありがたい。
いやだねーほんと。ちょっと考えるだけでも鮮明に思い出せちゃうもんだから。
微妙に震える体をさすりながら、誰に話してんだろうと我にかえる。
「っん!つづきつづき。」
コントローラーを手に取りゲームの続きをする。そこへ
「あおばー。郵便よー。ここ置いとくからねー。」
今のは母親だ。こんな生活をしていてもいつも通りに接してくれる母親に心の中で感謝しながら一旦コントローラーを置き、母親がどこかへ行ったのを耳で確認し、ドアを開けようとしたが手が止まる。
(いったい誰からだろ?そんな人記憶にないのにな。)
不思議に思いながらもその郵便物とやらを確認するため一応見ておこうとドアを開けた。そこにはなんともでかい段ボールがあった。でかい。俺が入れるくらい無駄にでかい。
(んんんんんんん〜?待てい!あの母親俺が持てると思ってんの?)
そういえば男だったなーと自分を思い出しそういうもんなのかと1人で納得する。
とりあえず部屋の中にに運ぼうと数十分段ボール格闘しやっと落ち着いた。
少々苦戦したが。ーほんとに少々だからそこっ嘘つけとか言わない!ー
流石に大きいので中身が気になってきた。そこら辺にあったカッターを手に開けた。すると
「わ!なにこのワタワタ?」
緩衝材だろうそのワタワタのその中に何かある。
嫌な予感がしながらも思い切ってワタワタを払う。
結果はまあ予想通りの段ボールである。
嫌な予感がまたしてちょっと雑に段ボールを切って開ける。
大量のワタワタと、また段ボールだ。
(んんんんん〜?どうなってんだこれ。)
じつはカッターを使っても結構苦戦して開封の儀をやっているので疲れるのである。ーしないほうがいいって?そういう時期だ。きにするな!ー私はそれを数回繰り返しやっっっっっと段ボール以外のなんだかメカチックな箱に辿り着いた。
「ふう。んで、なんだこれ?」
その妙に綺麗な箱?に手を伸ばし触れてみた。すると急に光り出して上に映像
(プロジェクションマッピング的な何か?)が映し出される。そしてその映像の中のキャラクター?が喋り出した。
「パンパカパーン!おめでとーうございまーす!きみはこのゲームの無料体験者となりましたー。ぱちぱちー。」
「っは?」
この一部の人はキレそうな話し方でなんかとんでもない内容なことを言ったキャラを見て思考が止まる。視界に続きを話そうとするのが見えたので聞いておこうと注視する。
「それにしても時間かかったねー。カッターエクスプロージョンってなにさププっw。まあこれw本当は二重程度でいいんだけどねw。」
(プッチン。んだよそれー!いままでのがんばり無駄じゃねえか!)
訂正しよう。全ての人がキレそうなこのキャラは何故か自分の行動を知っていた。そのことに気づいて驚いているとその反応が見たかったとばかりに微笑む。
「まあ状況が全然わかってないっぽいから説明続けるね。じゃあまず、箱の側面のこういうコントローラー外して。」
その映像の中にご丁寧に場所とコントローラー?の形が映し出される。とりあえず従おうと見てみると、やはりコントローラーとは思えない輪っかのようなものが外れた。
「それを首か手首にくっつけて。」
少し戸惑ったがやるしかないと思い言われた通りに手首に近づけると、カチッとなってブレスレットのようになった。
「それじゃあはいっ!強制ログイン。いってらっしゃーい。」
「はい?ちょっとまっtーーー」
突然意識が遠のき体の自由がなくなる。浮いていくような感覚の中で、誰なんだよお前と問いかけると頭に直接答えが返ってきた。
「私は案内人。導くものさ。」
その言葉と緩衝材に埋もれる感覚を最後に視界が白くなり完全に感覚が無くなったのがわかった。
読んでいただきありがとうございます!。
チャレンジしようと思って初めて書いたので
下手くそだと思いますが何卒温かい目で見ていただけたら幸いです。