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キミは可愛い私の天使 【初恋シリーズ《思い付き置き場》】  作者: 神山 りお


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3 クリスも困惑する 〈クリスのその後〉



 クリス=ベイリーズは困惑していた。




 夜会で久々に会った友人達と談笑し、楽しくてつい酒を飲み過ぎた。

 酔いを覚まそうと、テラスに出たのはイイがーー。




「私は、一体何を見せられているんだ」




 幼馴染みで友人の、イチャコラしている姿がそこにはあった。




「本当に何を見せられているんだ」

 もう一度呟くと、クリスは顔を背けてこめかみを掴んでいた。

 酔いを覚ますつもりが、今後は違う意味で頭痛がしてきた。

 中庭か部屋でも借りて酔いを覚ますかと、踵を返した時ーー。

「大丈夫?」

 と心配そうな、だが艶っぽい声がした。



「えぇ、ありがとうございます。大丈夫です。サーシャリア夫人」 

 そこにいたのは、この夜会の主催者の友人サーシャリアだった。

「夫人はやめてくださる? もう、夫はいないのだから」

「配慮が足りませんでした。すみません」

 クリスは色んな意味でクラクラする頭を下げて謝罪した。

 数年も前に夫をなくした彼女を、未だに周りは夫人と呼んでいるのでつい自分も口にしてしまったのだ。

 失礼だったとはと、酔いの回った頭で考えた。

「次から呼ばなければいいわよ……アレ、貴方の友人でしょ? 若いわね」

 反対側にいたマック夫妻のやり取りを、サーシャリアは見て言った。

 一瞬、嫌味かと思ったが、彼女の表情で揶揄している訳ではないと分かる。

 自分より年若い夫妻のやり取りを、微笑ましく見ている様子だった。



「サーシャリア様もお若いですよ」

「何よ、その取って付けた様な社交辞令」

 サーシャリアは苦笑いしていた。

 クリスとは10も年上だ。それなのに若いと言われても嫌味か社交辞令にしか感じなかった。

 しかし、クリスはお世辞ではなく、ありのままを言っていた。

 40近い筈の彼女は、見目には20代に見えたのだ。

 クリスは、見た目は質素なドレス姿なのに、何故か色っぽく艶っぽいサーシャリアにしばし見惚れていた。

「何?」

「サーシャリア様は美しいな……と」

 クリスはニコリと微笑んだ。

 未亡人が見せる色っぽさなのか、サーシャリア自身の気質なのか、両方なのか。

 クリスは酒とサーシャリアに酔っていた。



「そう? 美しいのは見目だけかしら?」

 酔っているクリスが可愛いなと思ったサーシャリアは、揶揄う様にクリスの頬を指でなぞった。

「中身まで知る程の仲ではないから、分かりませんよ」

 クリスは酔いの勢いに任せたまま、揶揄うサーシャリアに負けじと、彼女の首筋を手の腹でなぞる。

 サーシャリアは一瞬目を瞬いたが、すぐに口端を上げてみせた。



「そう? なら、知ればイイ」

 サーシャリアはクリスの頭を右手で捉えると、噛みつく様に口を重ねた。

 酔っているクリスが無性に可愛く見えて、ついもっと揶揄いたくなったのだ。

「んん!?」

 まさか、そう来ると思わなかったクリスは、サーシャリアを跳ねつけようとした。

 だが、それは敗北を喫した様で男としての矜持が許せず、代わりにサーシャリアの腰を自分に寄せた。

「んん!?」

 サーシャリアは口付けが深くなり驚いていた。

 酒に酔う様なヒヨッコだと、高を括っていたのだ。だから、キスをすれば顔を真っ赤にさせて、あわあわするだろうと読んでいた。なのに、全く違った。

 クリスは仕掛けて来たのはそっちが先だと、いわんばかりに反撃してきたのだ。

 それには、サーシャリアも驚きつつ、仕掛けた自分が先に負ける訳にはいかないと、変な闘争心を燃やした。




 かくして、2人はどちらかが参るまで口付けを交わしていた訳だがーー。




 それを、マック達に見られていたのを知らない。





 * * *





 後に、コレを目撃した者から人伝で広がり、このテラスで口付けを交わすと、幸せになると妙に曲がった噂になったのであった。








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