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40 仮カレカノ 友達と遊ぶ その2

40話到達……感慨深いものがあります……


皆様、ありがとうございます!





「ねぇねえ!洸くんって誕生日いつなの?」


夢葉からの質問に俺は困り果てた。というのも電車に乗ってから同じような質問が何個も飛んできて完全に質問責め状態になってしまっているからである。


電車に乗ると、真っ先に棚山含む男子勢は四人座りの所に座った。こうされると、俺は残りの女子たちと座りざるを得なくなる。


男一人、女子三人だからガールズトークが始まるのは言うまでもない。


ガールズトークを聞くのも面倒なのに、その内容が俺たちのことだったから尚更面倒だった。


初対面ということもあり、奈美と夢葉は聞きたいことだらけなようで間髪いれずにすぐに質問してくる。


本来なら、普通に答えればなにも問題ないのだが、俺とバレてしまうのは困るのだ。


だから気をつけて答えていた。



「十月四日だな……」



ちなみにこれは本当である。生年月日が同じ人なんてごまんといるので、このくらいは大丈夫であろう。


「へえ………十月なんだあ………意外ぃ〜〜なんか八月のイメージがある〜」


俺が八月のイメージってどういうことだろうか?

日焼けしているわけでもないし………彼女の八月のイメージを一回聞いてみたい。


そんな風に思っていると、奈美が、


「ハイハイ!じゃあ、夏帆さんに質問!!」


「へぇ!?わ、わたしぃ!?」


「そうそう!!」


「え、な、なに………」


「夏帆さんって、洸くんのどんなところが好きですか?」


その時、俺は落ち着くためにお茶を飲んでいたのだが、吹きそうになった。

危機一髪である。危うく、煎茶まみれにするところであった。俺が安堵している隣で、夏帆は俯きながら、


「え、えーとね。まずは、優しい……し、気がきくし………努力家だし…………カッコいい……」


最後のところは隣の俺でもほとんど聞こえなかった。

しかし、奈美、夢葉ペアは見事な地獄耳でそれを聞き取った。


「へえ………夏帆ったら……洸くんのこと大好きなんですねぇ〜〜」


「いやぁ……夏帆がここまで言うとは………愛されてますな、洸くんわぁ!」


そう言われたのでなんだかこっちまで恥ずかしくなってしまった。隣を見ると、夏帆は相変わらず俯いている。その頰は赤らんでいて、リンゴみたいになっていた。


「じゃあ、次は、洸くん!」


「え?」


「いや、「え?」じゃないでしょ?あの夏帆があんなこと言ったんだから」


「ちょ、夢葉……あんなことって……」


「いいから、夏帆は……可愛かったよ?」


「……っ…」


夏帆はそういじられてますます赤くなる。きっと体温も恥ずかしさのボルテージも最高潮であろう。


「ほら、洸くん!」


「いや、そんなこと言われても……」


「言わないはなしだよ!夏帆だってこんなこと言ったんだから」


「ちょ、奈美まで………」


「夏帆も聞きたいでしょ?自分の大切な人にどう思われているか」


「………!うん、聞きたい………」


奈美にそう言われ夏帆も頷いた。

これマジで俺が言うパターンなのか?女子たちの目を見ると、マジである。


あ、これはもう逃れられないな………


そう悟った俺は、逃れることを諦めた。

夏帆の好きなところを考える。そして、言葉にする。


「夏帆のいいところは……まず、優しい」


「ほぉ?……」


「「うんうん、それと?」」


「それと………頑張り屋だな。とにかく努力家なところが好きだ」


「ほぇ……」


「「ほぉっ、うんうん、次は?」」


「次は………美人だな……」


「うっ……」


「「きゃっ……もっと」」


「もっとは………とにかく笑顔がいい」


「ふへぇ……」


「「もっと、もっとちょうだい!!」」


「もっとは………って!ちょっと待って、なんか俺のことのせてない?」


「いやいや、全然…」


「ね?全くだよ………もっとちょうだい!!」


「本音が飛び出してる………」


「でも、まさか、洸くんがそんなに夏帆のこと愛しているなんて〜〜夏帆も幸せ者だなぁ………って!夏帆?なんで、倒れてんの!?座ってたのにどうやったら倒れんの!?」


夢葉の声で気が付いたが、隣で夏帆が倒れていた。顔は真っ赤になりオーバーヒートしていたらしい。


俺、二人にのせられてすごい恥ずかしいことを言ってたのか?


なんか急に恥ずかしくなった。


それからは夏帆の介抱をした。とにかくお茶を飲ませて五分落ち着かせると、夏帆がオーバーヒート状態から戻ってきた。


「夏帆、大丈夫?」


「なんか、すごい赤くなってたけど……」


二人は心配そうに夏帆に尋ねる、すると夏帆は、


「大丈夫……全部、洸くんの所為」


なんでだよ………倒れたのはお前だろ。


と言ってやりたいが自分でも恥ずかしいことを吐いていた自覚はあるので、言えなかった。


なんか、目を合わせるのも恥ずかしくなり、目を逸らすと、また殺気の目と遭遇した。


何故か先程よりもヤバいことになっているのだが……

大丈夫であろうか?


色んな意味で、心配になった。


目線を夏帆たち女子グループのところに戻すと、


「じゃあ、そろそろ降りる準備をしよ?」


「うん、そだね」


降りる準備?次の駅で降りるのか?


一体どこに行くつもりなんだ?


まだ行き先を知らされていない俺は、一番口の軽そうな夢葉に尋ねた。


「これから、どこ行くんだ?」


「あ〜〜夏帆ったら言ってなかったんだぁ〜、ダメだよ?彼氏さんにちゃんと目的地、教えなきゃ……」


「だって……」


夏帆はすごく言いたくなさそうな物言いで話した。


「で、目的地は?」


結論を急ぎたい俺は、再度、夢葉に尋ねた。


「遊園地だよ〜」


「え?」


「だから、遊園地」


「あのか?」


「他にどれがあるのか、逆に聞きたい」


目的地を知らされた俺はこう思った。


何が彼氏紹介だ………

――遊ぶ気満々じゃねーか。

次回は、遊園地です。


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