37 報告
今日は短いです。申し訳ないです……
放課後、いつもの喫茶店で待ち合わせしていると、少し遅れて夏帆が到着した。
俺を見つけ、小走りで駆け寄ってくる。そして、手が届きそな所まで近づくと、
「やったね!!おめでと!!さすが洸夜だよっ!!」
笑顔でそう言って、手を上げた。
なんで、手なんて上げてんだ?
と俺が不思議そうに見ていると、
「ほら!ハイタッチ!!」
「あ、ああ…」
そういうことか。
俺も手を上げて、ハイタッチした。
そういえば、彼女と触れるのも久々であった。相変わらず、手が小さく、かわいい手だった。
「本当に達成したね!改めておめでと!あの手紙のことだけど、頑張ったのは洸夜自身だから。私は何もやってないよ」
「いや、そんなことはない。夏帆のおかげだ。その、ありがとな……」
「え……い、いや。別に……う、うん。こちらこそ、ありがと。洸夜のおかげで、14位だったし。こっちもお礼を言わなきゃ」
「そ、そうか。達成できたか………おめでとう……」
「ありがと……洸夜のおかげだから。うん。」
それは違う、この順位は彼女の努力の賜物だ。俺が特別に何かしたということはない。
「夏帆の努力のおかげだよ。凄く頑張ったな……」
「う、うん……私、頑張ったよ……」
彼女は一瞬俯いたが、すぐに顔を上げ、笑顔でこちらを見た。その瞳には、若干涙が溜まっていた。
ほんとに努力したんだな………
俺は彼女を本当に尊敬した。
頑張ったのだから約束通りにお願いを聞かなければ……
俺は、そう思い、彼女に尋ねた。
「無事、目標達成したからお願いは何がいい?俺は何をしたらいい?」
「目標達成は、洸夜も同じでしょ?」
「俺は後でもいい。先に夏帆のお願いを……」
「いやっ!洸夜もお願いして!」
「俺はまだ決め兼ねているから後でいい、先に夏帆を……」
「う〜ん。じゃあ……………こうする。」
「……なんだ?」
しばらく悩んだ、夏帆は決めたようで、俺に言ってきた。俺はそのお願いを尋ねる。
「私は洸夜と一緒の時にお願いを言いたい!」
「それがお願いか?」
なんだそれ。お願いって一つじゃないのか?
俺はそう思いながら夏帆に尋ねる。
「うん、前のお願い。」
「前のお願い?」
ほんとに何を言ってるのだろう?
俺は意味がわからずそのまま尋ね返した。
「ほら、前、洸夜の家に助けに行った時、洸夜のおばあちゃんが言ってたじゃん。洸夜、夏帆さんのお願い何か叶えてやれ的なこと。」
そんなことあったかなぁ……的な感じで思い起こすと、
言ってましたわ……じゃんじゃんバリバリ言ってました。
でも、大丈夫とか言ってなかったか?
俺の気のせい?
しかし、ばあちゃんに言われて俺も頷いた身だ。
それを覆したくはない。だからそれは言わずに、お願いを叶えることにした。
「ああ、思い出した……そういや、俺あの時頷いてたな……」
「でしょ?だからテストのお願いは洸夜と一緒の時にお願いにする。いいでしょ?」
「わかった……じゃあ、俺のお願いと時に一緒にな……」
「うん!」
彼女は満足そうに頷いた。
なぜ、一緒に言いたがるのか不思議でならなかったが追求はしないでおいた。
尋ねすぎるのはよくないからな。
俺たちは、老人ホームに向かって歩き出す。
さて、久々のばあちゃんとの再会だ。
「前のお願い」のやつは17話で、洸夜のおばあちゃんが言っていたものです。
少しわかりにくかったらすみません。
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昨日は沢山の評価、ブックマークありがとうございました。
凄く嬉しいです。これからも頑張ります。




