26 もっとも憂鬱な月曜日 ③ その1
昨日は投稿出来ずにすみません。
日刊ランキング8位。ありがとうございます。
まさか、トップ10の中に入れるとは…………
読んでくれる皆様に感謝を!
洸夜目線。
昼休み。
あの後も、授業の間の休み時間に俺の机を囲んだ男たちは俺に文句と暴言を散々言ってきた。
しかし、声は小さかった。
そのせいか、軽い鬱になっている。彼らの暴言や文句が念仏のように聞こえてしまったのだ。
小さくネチネチと……どうせなら経を読め。
一回そう感じてしまうと、中々元に戻らない。
これは、シミュラクラ現象とおんなじ原理だ。きっとそう。
メンタルには定評のある俺でも、これにはダメージを受けた。まさか、こんな精神攻撃があるとは…………予想外である。
それで、四限の授業が終わると、男どもは揃って購買を買いに行った。
パンでも喉に詰まらせて、しばらく戻って来なきゃいいのに……と思ったのは、内緒である。
隣の夏帆は、昼休みになると、早速弁当箱を取り出し開ける。
近くには、夏帆と仲がいい鹿波奈美と、下原夢葉がいた。今日は、夏帆の席で一緒に食事をするらしい。
最近わかったことだが、あの三人は日にちごとに食べる席を替えているらしい。
俺としては、めんどくさっ!としか思わないが相手は女である。女の心情は複雑で今の今までわかった試しがない。
三人が、昼食を食べ始める。
俺もあの男どもが帰って来る前に食べてしまわなければならないので、急いで弁当箱を開けた。
今日のメニューは、ほうれん草の胡麻和え、ミニトマト、ミニハンバーグである。
朝の少しの時間でしか作れないので、簡単メニューだ。ハンバーグは、冷凍食品のものを持ってきた。
もちろん一枚。
俺が速攻で昼飯を口の中に運んでいると、隣からあいつらの会話が聞こえてきた。
「ねぇねぇ〜そういえばさぁ〜。夏帆のあの彼氏さんって歳上なの?」
奈美がそう夏帆に聞いていた。
マジか……今からここで始まるのかガールズトーク。
しかも偽りの………
「いやぁ、同い年だよー……」
夏帆は淡々と答える。俺は内心ドッキドキだった。
もし辻褄が合わなくなったらどうしようと思っていたのだ。
「そっかぁ……。だからあんなに仲良く手繋いでたんだぁ……同い年だと無理に気遣わなくていいもんねー」
「まぁ、そうだね……気は使ってなかったかなぁ……」
「彼氏のこと好き?」
「う、うん……まあ……」
「どういうところ?」
「優しいところかなぁ……あと、何気に気を使ってくれているところ……」
「そっかぁ……じゃあ、嫌いなところは?」
「え〜〜…………う〜ん……………信じてくれない……ところ………かな?」
しばらく考え込んだ、夏帆はポツリとそう言った。
その瞬間、俺は箸が止まった。
何気ない女子のガールズトーク。しかし、俺には釘が心臓に刺さるほど痛い言葉だった。
「え?それって、どういうこと?」
夢葉が聞き返す。
「悩んでても、誤魔化して隠しちゃうから………」
無理に笑顔を見せているのがバレバレだ。明るく振舞おうとしているのがわかる。
「そっかぁ……。そりゃかなしいね……」
夢葉は、頷いた。
やはり、夏帆はあのことを気にして怒っている。その一文だけは、偽りを話さず、本当の夏帆の心情を述べている気がした。
やっぱり、俺は嫌われている………
先程の言葉で俺は、確信に変わった。
あのことをやっぱり、話すべきだ。夏帆もそのことを望んでいるに違いない。たとえ、それを話して理解されなくても全力を尽くし、理解してもらえる努力をする。
それで、おしまいになったら後悔はない。
彼女たちが、昼食を食べ終わると、トイレに行くのか、席を離れた。
俺は、その隙に、ノートの切れ端に文字を書いて、切って夏帆の机の引き出しに入れた。
さぁ、どんな結末を迎えるとしても後悔がない、月曜日にしよう。
俺はそう心に言い聞かせ、五限の教科書を広げた。
出来れば今日中に夏帆視点も投稿しようと思ってます。
毎度のことながら、ホントに誤字報告感謝です。
下がった頭が上がりません……
ありがとうございます。




