24 もっとも憂鬱な月曜日 ①
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日別ランキング12位。
まさか、ここまでこれるとは……
皆様には、感謝してもしきれません!!
これからも是非よろしくお願いします。
さて、イジられるにしてもイジメられるにしても分かってて登校するのにこれほど憂鬱なことがあるだろうか?
きっと席に座った瞬間にクラスの男子が、俺を囲んで話し掛けてくるのだ。
それだけでも、面倒なのに……不安材料はもう一つある。
それは、夏帆と喧嘩と言えばいいのか、わからないがそのような気まずい関係になったことだ。
あれは明らかに俺が悪い。
しかし、学校での会話は制限されている。
これが悩ましいのだ。
はあ……こんな憂鬱な月曜日初めてだ。
○
教室に入って、まず一番始めに目についたのが、俺の席の隣の夏帆だった。
彼女は、俺が教室に入ってくるのを見る。そして、俺と目線が合うと、プイッと他の方へ目線を逸らした。
やはり怒っているのだろうか……
以前までは、目線が合っても逸らすことはなかったというのに。
俺が自分の席について、リュックを机の上に置くと、案の定、クラスの男子たちがこちらにやってくる。
その数5名ほど。
やれやれ、これから始まるようだ。
「おっはよぉぉ〜〜!!!!ねぇえ??幡川くぅ〜ん!」
俺は軽い会釈だけする。もちろん視線なんて合わせない。
「無視かよぉ〜、ひどいなぁ、ね?そう思わないかなあ!?なぁ?幡川?」
いや、別に、喧嘩売ってくるの知ってるのに、笑顔で挨拶する訳ないだろ馬鹿野郎。
会釈したんだから、それでよしとしてほしい。
「なぁなあ!!この写真みてくんね?これ、だーれだ?」
クラスの男子が指差したのが、俺だった。
いっつも見てるくせに忘れるなんて最低だな。
俺なんて嫌いだけど、お前らだけはよく覚えてるわ。材料さえあれば定期的に絡んでくるからな。
「俺だけど………」
聞かれたから取り敢えず答えた。早く自分の席に座って教科書でも読んどいてほしい。
その方がよっぽど人生してるから。
「だよな、これ幡川クゥンだよな!見た目キモいから一発でわかったわwwww」
一人がそんなことを言うと、その周りにいた残りの男全員が笑い出す。
なにを言いたいんだ。イジメるのはわかったから、さっさと言うだけ言って帰ってくれ。
俺はそんな衝動に駆られイライラしていた。
ただでさえ、状況が悪い。そんな所に思いっきり煽られるのだ。イライラしない筈がない。
「で……俺に何の用?」
「あ、生意気言ってんじゃねーよ。お前ごときが話進めんな。」
イライラするがここはひたすら我慢である。
今までそうしてきたのだ。
「でもさぁ、もうちょっとでホームルームだからさっさと済まさね?」
と仲間の一人が言った。
「あ、そうだなぁ。いじめ過ぎると泣いちゃう可能性大だしなwww」
そうそう、泣いちゃうからさっさと終わらせてくれ。
俺は半ば投げやりになって、それを聞こうとした時、あいつが登校してきた。
「おーすっ!あれ?みんな、どうした系?」
そう言って入ってきたのは、棚山だ。
「なんだよ!孝かよ、ティーチャーかと思ったわぁ〜」
孝とは、棚山の名前である。
「こんな、教師がどこにいんだよw………って、あれ?幡川を囲んでるとか、まさかの例の件?」
「そのまさかよぉ〜!」
「マジかー。俺も直接聞きたかったわ」
「まだ、聞いてねーから、安心しろよ」
「マジで?」
「まじもんよ」
「ラッキー!俺が聞いてもいい?」
「もち、おけ!」
さっきまで俺に絡んでいた男子が、棚山に譲るようだ。棚山は、俺の机に自分のリュックをどかっと置いて、不適な笑みを浮かべながら俺に尋ねてきた。
「あの、女とお前って、まさか、付き合ったりしてる?」
なるほど……やっぱり彼らは、そのことを知りたがってたのか。ここは、事実を述べる。
「いや、付き合ってないけど………」
その瞬間、隣でずっと女子と話していた、夏帆が少しビクッとした。しかし、ふつうに会話を続けている。
「だよなぁ〜ww…だと思った、だってお前ブサイクすぎるし、隠キャだし、運動もできねーじゃん、そんな奴があんな女と付き合う訳ねーわな」
そう言って、棚山は爆笑する。それにつられて他の男子たちも笑う。
もう、いいだろ?知れたんだろ?去ってくれ……
そう思っていた矢先、さっきまで笑っていた、男子がこんなことを言った。
「てか、あの女、まさかのビッチ系じゃね?ほら、あんじゃんよう隠キャ誘ってそういう関係とか……」
「マジかよ!確かに考えればありえる。ビッチに引っかけられたけどスペック低すぎて捨てられたんじゃね?」
「わかる!それな!!ブサイクで、隠キャメガネで、運動できなくて、コミニュケーション取れないとかむしろ天才だわ。素っ気なくて優しさって概念がないもんな!」
と棚山がまた笑う。他の男子は、美月さんをビッチ呼ばわりして、俺と美月さんのもしもの変な想像をしあって楽しんでいる。
もう、ここが学校でなかったら、アイツら全員、気絶させてる所だった。久しぶりに、拳を思いっきり握った気がする。
俺は、どんなにバカにされたり罵られたりしてもいい、
けど、美月さんの悪口だけは、絶対に許さない。
暫く笑ったクラスの男子たちは、ホームルームのチャイムが鳴ると自分たちの席に戻っていった。
俺は、いつもより雑に、教科書を出した。
ものに八つ当たりなんて最低だな。
もう少しで教師がやってくる。この時間で一回、落ち着こう、どうせ、一限開始前の休み時間だって、また言われるんだろうし。
教科書を出し終わって、ふと隣を見てみると、夏帆がペンで付箋に「死ね死ね死ね死ね」と書きまくっていた。
どうやら、俺は想像以上に嫌われていたらしい。
次回から午後投稿にします。
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