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22 過酷な日曜日 ④

17000PVありがとうございます!

ブックマーク、評価も沢山つけていただき本当にありがとうございます。

日別ランキングでもまた順位が上がっていて、

嬉しいです!!


よりいっそう頑張ります。


夏帆目線





「あ〜美味しかったぁ」


あれから随分と時間が経過した。

洸夜とお茶会なんて初めてだしどんな話をすればいいか分からずに始めは、はなしずらかった。


でも、時間が経過するごとに慣れてきて、最終的には、おばあちゃんの話や習字の話でとても盛り上がった。


結果一時間半も長話をして、出たのは、四時半で夕方だった。


本来ならここでお開きにしたいのだが、私はもう一つ行かなければならない場所がある。


今年は、私のおばあちゃんが古希なのだ。だから例年よりも豪華な誕生日にしたい。せっかく幡川の家も一緒に祝ってくれるからプレゼントも豪華にしたかった。


だからあともう一つ、プレゼントを用意するつもりだった。


「あともーひとつ、行きたい場所があるけどいい?」


となりの洸夜にそう話しかける。手を繋ぎながら歩いているからとても距離が近い。慣れたけどまだ少し緊張気味だ。


「別に俺はいいけど……」


彼も了承してくれた。

だから私は彼の手を引っ張って、その店に向かって走った。

やっぱり、設定でも……この関係でいたいなぁ……



私たちが向かったのは、アクセサリー屋。

指輪とか、ネックレスとかたくさん売っている店。


古希のお祝いに何かいつもと違うものをプレゼントしたい。

指輪だとなんか結婚とかカップル感がしちゃうからネックレスにしたい。


「ネックレスを買おうと思って……いい?」


「ああ、いいぞ……」


私は彼と一緒にネックレスを探す、すると目に留まったネックレスがあった。

金色のネックレス。


「きれい…………」


思わず、声が出てしまった。別に宝石など付いているわけでもないが惹きつけるものがあった。


私は手にとってつけてみる。


「ねぇ、洸くん……どう……かな?」


恥ずかしくて最初は俯いていたが、勇気を出して、彼の表情を見てみると、


「な、ナミダ?なんで………」



彼の瞳から涙がぽろっと流れていた。彼の涙はそのまま下に流れ、床を濡らす。


初めてみる彼の涙だった。


彼は、ずっとぼーっとしていたが、涙が流れていることに気付くと慌てて服で拭き取った。


「どうしたの?洸くん……涙が……」


「い、いや!!なんでもない。ドライアイだから」


「そ、そう?」


「ああ、大丈夫だ」


「そっか……」


私は口では納得したが本音は全く納得してない。

今日の洸夜はなんかおかしい。

彼の涙なんて初めてみた。

きっとなにかあったんだろう……とても気になる。


それから私はそのことしか考えていなかった。

洸夜がそのネックレスがいいと言ってくれたので、おばあちゃんのプレゼントはそれに決めた。


店を出ると、時計の針が五時半を回っていた。


「喜ぶといいな……」


「うん、きっと喜んでくれるよ」


「なら、選んだ甲斐があった」


「うん…………」


私は躊躇っていた。あの涙の訳を聞くのかどうかを。

そんな態度を見かねてか、


「どうした?夏帆?」


と心配そうに尋ねてくる。

もう……そっちがそんな顔しないでよ……

私が心配してるのに……


「あの……………」


「ん?」


なにも言えずに時間だけが過ぎる。


「やっぱりなんでもない………」


「そうか………」


結局私は言えなかった。すると、彼は、


「今日は楽しかった………家まで送った方がいいか?」


「ううん……大丈夫」


この後、奈美と夢葉が待っている。だからいけない。


「そうか………じゃあまた明日」


と言って歩き出した。


「うん、また明日……」


と私も別れを告げる。


彼の姿が完全に見えなくなった。


すると、奈美と夢葉がやってきた。


「なにあれ、彼氏さん、まじイケメンじゃん!!」


「すごいね夏帆どうやって捕まえたの??」


「まあ、色々とね?」


「へぇ………そうなんだぁ……」


「あたしらも頑張らないとね……」


「ダネ……」


そう言って二人は遠い目をしている。

取り敢えず、洸夜だとはバレていなかった。

よかった。一安心。


「それにしても手を繋いでラブラブですなぁ〜〜」


夢葉がからかってくる。


「やめてよ、恥ずかしい……」


「なるほどね……最近付き合いが悪いと思ったら………もうっ!!最初からそう言ってよぉ!!」


「ゴメン……」


何か勘違いしているようだけど都合がいいからそういうことにしておいた。


「あ!そうだそうだ!さっきクラスの男子から写真送られてきたんだけどさ、今日面白い写真撮れたらしいよ」


そう言って奈美がスマホの画面を見せてきた。


「これって…………」


その写真は、あの先輩と洸夜があのカフェみたいなところでお茶している写真だった。


「ねぇ〜〜ヤバくない?相手かわいいぃ〜〜!!彼女なのかなぁ……」


「どうだろうね………」


私は動揺しまくっていた。

なんで?なんで?これ、午前の写真?てことは、洸夜は午前あの先輩とあそこにいたの?

意味わかんない、付き合ってないんでしょ……

手伝い?でも、お茶会の手伝いとか意味わかんない


「クラスの男子がその写真使って、明日あの隠キャのこといじるらしいよぉ〜。見ものだね〜〜」


「ハハハハ………」


そんなことってある?

帰ったら洸夜に聞いてみよう。今日の涙も関係があるかもしれないし………

そして、その写真のこと伝えないと……


私は密かに決心した。


評価、ブックマーク是非よろしくお願いします!





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