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8弾 女子高生と審査員

こんな深夜で遊びしない。街中の公園では短い針が10時に指していた事を記憶にして、黒美はマンションの目の前に辿り着いた。

チャラな彼女は未だに遊んでいるだろうと思い耽りながら、5階上がるのであった。56号室。その番号の札を張ったドアのノブをひねり、こじ開けた。

この時には何も挨拶も投げ入れたりはしなかった。「只今」と言わなかった。黒美は1人で住んでいて、親と14歳の弟と離れて暮らしいる。地元では山に囲まれているが、田舎並みに古臭く感じ取れる風格ではない。ビルやらファミレス、コンビニなど数軒並んでいる。

まあ東京程の街並みに何ヶ月も経過すると次第に故郷もカビが生えたように貧乏臭く見えてきた。両親は慣れて平気そうな顔で物事に出回っていた。弟の健介…早く1人暮らししたいらしい。地元の中学生として通いながら、姉の顔を妄想して今も咎めている。

少しは小悪魔的だったのよね。出世したい概念があって、弟も社会に踏み出せる人間だと無言無表情で黒美は褒めた。ドアを閉めて、ロックした後に上がる。明かりを入れると担いでいたバッグをテレビを前に据えた水色のコンパクトソファーに整いも何も胸に清めた心構えもなく、即置かせた。制服のネクタイを首から外すと明日着する同じ色と形の制服をかけたハンガーのフックにかけた。黒美は脱衣所へと即入り込んだ。

風呂場の前の部屋。新入生以来からずっとこのアパートに過ごしてから6月半は経過している。既にと感じさせる位あっという間で瞬きする間に大量の時間を費やしてきた。気付けば、この風呂場の次いで湿度の高いこの脱衣所では黒いカビが洗濯機、引き出しの隅に薄くも張られていた。虫が徘徊しやすい夏に蜘蛛の巣も透明度が薄くなっていた。

黒美は制服のボタンを上から順や外した。スカートも先に腰からずるりと下ろす。身体から2つの衣を外してドラム式の洗濯機の中の前に立って放り投げた。電源の入りのボタンを差し指で押した。真ん中の赤い電工文字が映しだすと、洗剤投入口を引き出した。アタックの粉末合成潜在の箱を取り出して、緑のプラスチックのスプーンに半分位粉を積もらせた。

さらさらと投入口に流す。


「…」


黒美が自分の身体に下を眺めた。純白のブラジャーとパンツでの下着姿となった自分。1人だから、誰も見られない。自分で洗濯するのだから、こんないい加減に格好でも部屋中に物事を促しても構う気がなかった。

黒美が気にしたのが体系である事。ふと洗濯機から離れて洗面所の前に自分の姿を映し出した。本当に私なのかと本体を疑う程、形はグッドな方だった。自己顕示欲的な意味で決めているのではない。

近頃の嫌らしい猿の同級生達からでは、廊下や教室からのセクハラ言葉を思い出す。


“すげぇな。3サイズがとても良質的だぜ”


女友達からも悪ふざけで


“グラマーだね~”


“親どんな仕事してんの?”


サラリーマンとかではなく、アイドルか水商売みたいな職に付いていると言われて正直血の気が煮えたぎる。

胸でかい。胴体が女子のフィギュアスケート並みに細い。ヒップも広がっているし。

ひょっとしたら、優勝の一因は本当は可愛さがごく一部だったのかもしれない。身体が大人的過ぎたから?あの審査員のオヤジ達が私を見てデレデレ顔で私に睨んでいた。手に触れたいそうで、ナメクジのようなヌメヌメ感の舌を巻いて、私だけを睨んでいた。



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