7弾 女子高生とギャル風女子とチンピラ男女
男は…自分は嫌われている。それだけ熱く、難題を解消する事だけに周囲に視界が見えぬままにただ前に、前に、と没頭していた。
銃弾受けて殺された。いや寧ろ、殺される程嫌われていた。信じ難い現実を飲め。彼女も。撃った本人も。信じ押し込んだ。
「お前…図ったのか…!」
余命から賄って男は苦しくも振り絞って声を上げてきた。
「くそが…!許せねぇくそ女ぁ…!」
「そこまで腐っているなんて頭悪い方ね。死んだ方が身の為よ」
服にまで血が垂れる落ちる。真紅が白を次第に塗りつぶしていく。男は自分の胸から流れた血を右手で触れた。その手を彼女に目掛けて差し出した。
「このや…ろ…」
何も一変もない性格を抱えて、この言葉を吐いたのが最期となった。死ぬまで曲げない。その本心があまりにもと感じさせた。その暁に止める手段は命耐えるしか他ならない。嫌にも彼女は殺すしか下せないという、極限の追い討ちまで迫られていた。
ひょっとしたら無間地獄で閻魔大王や鬼達に喰われ、金棒で打たれ追われる羽目になっても、三途の川の逆戻りで渡ってくるかもしれない。当然無理だと黒美は呑む。気概だけは…消えないだろう。
男の死体をシーツは丸々包んだ。色は青くとも懐かしいCMのタラコのキャラクターにも似通した外形。2人で担ぎ上げ、近くの河川敷を下りた。深い所と思われる川の辺りで沈めた。
万が一と考えて、親は気を向ける事になって通報しても守ってくれる筈の側は事情聴取までしか段階を取る毛頭が無い。今後街中で死体が増える日常茶飯事になると黒美は予感を覚えた。
街中で金は黒美の手に渡った。約束の4万円札…か。これだけ高額に取られてうつ伏せるような態度が彼女には見られなかった。寧ろ、没頭している事があり、金は渡した後に過去の記憶を黒美の側で切り捨てた。
1つのスマホを胸ポケットから取り出した。この瞬間に都会人ギャルモードに変貌した模様。口調もまでも瀕していた。
「気晴らしちゃったよ~あーゲーセンだよ」
新しくできた男と付き合っている事を初め遭った時にそう黒美に対して「もう彼氏いるのと伝えたのに」とその一言を聞いた。これからボーリングに付き合ってを言い始め、彼女はお礼も挨拶も何1つ置き残す事なく、スマホに耳にしながらこの場から歩み離れた。彼女が人ごみの中へと消え去るまで、黒美はそれを黙って見過ごした。無礼にも喰らって、唇をすぼめてしまう。だが何よりも彼女の反省を背負っていない事に気掛かりに満ちていた。同じような例が回らないと危惧していない。もし新しい彼氏との間に新しい溝にできたと想像するとまた彼氏にスコープを合わせる運命にはまってしまうのではないか。彼女こそが根源だ。
1つ命を救い、正義を悪の手から防いだ感覚があった。としても、芽生えた達成感を獲得したまでもなかった。ゲームとは違い、現実は苦汁を味わえさせる事しかできなかった。黒美は素直に呑んだ。