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2弾 女子高生と中年男

この日は7月で運命を変えたのは6月だった。この街のある電柱に背中を付けて立ち往生していた。あの時は夕方の6時頃だった。東京という大都会の中で数多の通行人が歩み交っていた。若きから中年位の者が入り混じる。その中の1人の男が私に近づいてきた。

眼鏡かけた40代で髪薄れた中年男。


「君ぃ。確か君はミスコングランプリの優勝者だよね」


変質者並みな顔という訳でもなく、ごく普通の笑みで特に悪意背負っている外見ではなかった。

挨拶して礼儀は正しい。男の目的は取材だと伝えてきた。


「内は週刊雑誌で編集している者なんだけどね。是非協力したい」


詳細はファミレスで語り合う事になった。可愛い女子学生をレビューを記事に載せるという物だ。

ピンポイントとなる顔を写真を掲載するのは勿論。

その時に名刺も出されて…


「本物だよ。ラインもぴっちり合ってるだろ?」


中村二郎。それが男の名前だった。


「…」


「ん?何か?不満点でも?」


「何もありません」


「なら早速だがサインを…」


テーブルに上に出された契約書。この時私は横並ぶ文字を深く見通した。


(あの人の言う通りだわ。この契約書は


自分の名前を書いた。


名は紅川黒美。年齢15歳。


書き終えた瞬時。男の口角が上がっていたのを妙に感じた。取材場所をこっちだと男は誘い始めた。レストランから出て、向かった先は…リゾートホテルの一室だった。

中村は取材の準備をすると寝室側にいる。私はベランダ付近で太陽の沈んだ暗闇に向けて耳に電話機を当てて語り合った。


「ええそうよ…分かったわ…今135号室」


反対側のホテルのあるこの部屋から1階上の1室で歪む影。明美はその1人の影に目を細めた。

…嘗ての救世主と相応しいのは…人を虐げるのを毛嫌う、強く正義感のある者に区付けされるのが妥当だった。今の時代でも人々はそれを強く信じていた。テレビでもね。ヒーローは潔く悪党を薙ぎ倒して和平を治める為に貢献している。のも脚本の立てた妄想だ。

現実世界でヒーローは出た事はない。出たとしても絶対に。完遂に。守られる側の希望が崩されない。そんな思想がいつ、どこで崩されるのか誰も予測できないだろう。そ甘さを狙いに仮面を外した時、最早味方という存在はいない。というより誰も守ってくれないという絶望感を味わうのだろう。

本当の救世主とは…いや…ただ事を進みたいだけで救世主は名前だけの存在だったかもしれない。


「準備できたぞ」


後方から中村の声に投げかけられ、私は後ろに顔を向いた。


「その前にベランダのシャッターを閉めてくれないかな?誰かに覗かれちゃあ不味いからね…いや本当に…」


本当にヤバいと言いたいのだろう…そのキラリとした物。私を切り裂こうと?その刃物で?







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