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0.むかしむかし、世界に魔法が溢れ返り
むかしむかし、世界に魔法が溢れ返り、各国が魔法使いを使った戦をしていた頃、唯一の友人であった彼は、「なるべく早く片付けてくる」と言い置いてこの地を離れた。彼を待った。短くない時を待ったが、彼は戻ってこなかった。
[お前が楽しそうに語っていた望みのものを創った。私にできる精一杯だ。お前は喜んでくれるだろうか]
『一人の絶対なる神が居た。一人の神は一冊の本を持っていた。一人の神は、本を元として、この世界を創り、自らを"外"に置いた。そうすることで、世界が独自に発展することを促した。』
ーーーーーーー『創世紀』より抜粋
ここは、本を媒介にして魔法を使う世界。世界の中心も、その楔も、本が握っている。