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えんじえる!  作者: 五月七日 外
プロローグ
1/16

解散

「私は紘と……みんなと歌っていたい。ずっとずっと、いつまでもみんなと一緒にバンドを組んでいたいんだよ……」


────青春なんて時間の無駄だ。

かつて、そう言った自分を音楽の世界に引っ張ってくれた人は泣いていた。


「……だから、辞めるなんて言わないでよ」

「ごめん。俺だと、みんなの足手まといになるだけだからさ……」


ポケットに突っ込んだ紙きれが、くしゃくしゃと音をたてる。

つまるところ、俺は逃げたのだ。

夢や現実、仲間たち。色んなものから。

かつて、無駄の一言で一蹴した「青春」の終わりが怖くてすべてから逃げたのだ。


「だから、今日で俺たちNo.9(ナンバーナイン)は解散だ」


追い縋るように伸びる、震えた手を振り切って。

俺はその場を後にした。


それが、冬の出来事。

中学三年生のある冬の日だった。

その日、俺は自らの青春劇に幕をおろした。



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