992年1月3日
今日で日記3日目だ。この日記は本当に便利。書きたいことを思うと自動で入力。しかも、日本語で考えているから、日本語記載だし。
この、記録用魔石って便利。日記を書く時は握って今日の出来事を思い返すとさ、思考に添って記録され、今日は何書いたかな?って思ったら、記載した内容が体感的に目の前1.5m位に文字が浮かぶ。何を書いているか?って考えたら、ディレクトリが表示される。今は≪キンバリー・ボイル/日記/年/月≫だけだ。検索ってどう使うんだろ?まぁいいや。メモ機能でも使えるはずだから、使えるものは使い倒そう。
手に持たなくても読出し出来るかの実験は、約3m以内まで成功。書込みも同じ距離まで。で、手ぶらで歩きたい俺は、試しに空間収納してみる。読出しは成功。書込みは、失敗。手を突っ込んでイメージして触って書き込むと成功。うん、背が伸びたら兄ちゃんのポケット付きのズボンをおねだりしよう。
日が上ると、両親のパーティーは遠征に出発した。父さんは、いつものように俺達兄弟の目線に合わせて『行ってくるからな』って言い、母さんは俺達を抱き締めながら『行ってきます』と言った。赤い旋風のメンバーは、いつもの様に『父ちゃん母ちゃん借りてくな!』って。
実際、冒険者ってどんな職種なんやろか?アースに来てから知りたい事多いけど、まだまだ3才児が興味持ったらおかしくね?余り目立ちたく無いしな。
ま、こっからは普段の生活やな。セラが朝食作ってくれる。普段は朝食が出来た後に起こしてくれるけど。メニューは黒パンと根野菜たっぷりで塩味のスープ。食べたら顔を洗い、着替える。次男だから?それともこの世界は古着が主流?兄ちゃんのお下がりがメインで、ズボンの下には下着も穿いてない!
朝食後、兄ちゃんはセラの指導でお勉強。俺は『たまに』横で見てたりする。大体は母屋と倉庫の間にある物陰で『自習』してるよ。転生前の知識があるからさ、兄ちゃんよりは勉強できる。当たり前だよな。
兄ちゃんの勉強住んだら、セラにくっついてお散歩。兄ちゃんは一人て遊びに行けるけど、俺が庭から逃亡するとメチャクチャ怒られる。ズボン下げられてさ、お尻にスパンキング!そっちの趣味無いから今は大人しくしてるよ。4歳になったら一人で遊びに出ても良いってパパンから言われてるから、もう少しの辛抱だよ。
セラとお散歩は、6割食材等のお買い物。3割が家の裏に広がる里山で食材採取。残り1割が井戸端会議?
今すんでる家はさ、母屋…1階が、食堂と調理室、客室が2つとセラの部屋に物置き部屋。2階が執務室っぽい部屋と、両親の部屋、兄ちゃんの部屋と俺の部屋、リビングに空き部屋が2つ。広い作りだけど、昔はどっかの貴族の別荘だったんだと。家は村の北の端にある。町の中心までは俺の足で歩いて一時間位。家の北には山が広がる。日本の実家も田舎でさ、小さな頃から山で遊んでたんだよ。お陰で、アウトドア大好きになったんだよな。
お散歩済んだらもう昼過ぎやん。でも、アースは基本的に昼飯食わないんだよ。昼飯を食うのに慣れた身体っていうか、感覚もってたら辛いもんがある。だから、腹が減ってきたら水飲んで空腹誤魔化して昼寝してるんだ。
お陰で、昼寝時間はおねしょをたまにする。
兄ちゃんは、勉強済ませたら一人で遊びに行ってて、俺がお昼寝から起きるくらいに帰ってくる。帰ってきたら遊びでチャンバラ。セラは、修道院で護身術を習っているし、両親居るときは父さんが見てくれる。当たっても痛くないように使う剣はさ、何かの尻尾を乾燥させたもの。スポンジみたいな感触だね。
でも兄ちゃん?鍋蓋の盾を使って受ける役ばかりやらせるのは酷くない?大きくなっても、前衛盾持ちだけはしないからな!
遊び終わったら、セラが夕食を作る片隅で、兄ちゃんと二人でたらいに湯を入れてもらい、沐浴。水を散らすとめっさ怒られるから、細心の注意を払って。
で、夕食なんだけど、朝と同じメニュー+葉物野菜と薫製の肉か魚。なんていうか…顎だけは鍛えられるね。
夕食が済んだら、丁度日の入りくらい。セラが魔法で明かりを灯し、リビングでお話をしてもらってからお休みなさいと部屋に入る。お話は、昔話が多いけど、魔法の話や色々な町の話もしてくれる。俺にとっては、数少ない情報入手手段だな。
さて、俺も『魔法の明かりを消して』そろそろ寝るか。
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