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放課後に疑心暗鬼

昼休みは特に変わりなく(いつもより二人多かったが)過ごし、午後の授業も適当に過ごした。

まぁ、体育の授業は手を抜きすぎて怒られたけど……

次は少し真面目っぽくしよう。


さて、今は放課後。

部活をしている人は部活動に励み、汗を流したりと色々やっている。

僕は帰宅部なので、これから『帰宅』という行動に励もうと思っている。

僕は教科書の類を鞄に詰め込みそのまま教室を後にしようとする。

しかし、教室を出る手前で肩をガシッと掴まれた。

これでは帰宅ができないので抗議するため後ろを向くとそこには『おしどり夫婦』の二人。


「ねぇ、東。肩を離してくれないかな?」


「それはできないな。離したらお前は帰っちまうだろ」


「そうだけど?」


「ちょっとお前に帰られると困るんだよ」


東の顔が少しばかり怖い。

その隣にいる鳴海もどうやら怒っているようだ。


「僕は早く帰りたいんだよ。家に帰ってレンタルした映画を観ないといけないからね」


「そうか、つまり帰っても暇なんだな。ちょっと来てもらうぞ」


そう言って僕をグイグイと引っ張っていく。

あぁ、映画を観るの楽しみにしてたのに……


「ちょっと!肩痛いよ」


「そうか、我慢しろ」


「いや、それは理不尽――」


『うるさい』


うわっ、二人ハモって言われたら怖いよ!

しかも、肩を掴む力が強くなってるし。


「ここでいいだろう」


そう言って辺りをみる東。

僕が連れてこられたのは校舎の屋上。

一体なんなんだろう……?

まさか!!朝に隠し事がバレていることに対する逆恨み!

つまり僕をここ(屋上)に連れて来たのはボロ雑巾にするため……

なんてこった!このままでは僕の身が危ない。

しかし、これはただの憶測だ。東と鳴海がそんなことを――


「霞、朝のことなんだがな……」


うわ〜、予想当たっちゃったよ……。

僕は次に起こるであろう惨劇を回避するため、隠し持っている『眠り玉』にこっそり手にもつ。

さぁ、いつくる……。


「お前、まだ俺達が付き合っていると思ってるだろ」


「そうだけど?」


「ハァ、そうか」


……アレ?ため息ですか?

殴りかかってくるんじゃなかったのか?

……わかった!僕が油断した隙に一気に殺るつもりだな!

東もなかなか考えたな。


「あのね、霧島君。何度も言うけど私達付き合ってないよ?」


「そうだ。誤解だぞ」


「そ、そうなんだ」


ここで油断したらいけない……。


「まだ信じてないな」


「うう、霧島君が信じてくれないよ〜」


鳴海が目をウルウルさせて、今にも泣きそうになっている。

そんな顔で見られたら……

ダメだ!これは奴らの罠――


「…………」


「あ〜!わかったよ!信じるよ!」


仕方がないんだよ……。

あんな感じに見つめられたら……。

捨てられた子犬みたいだし。

あ〜あ、僕、ボロ雑巾になる前に逃げれるかな……。


「なんか投げやりだが……まあいい、とりあえず信じてくれたんだな」


ああ、東のこんなに嬉しそうな顔を見るの久し振りだな。


「ホントに良かったよ!誤解されたままじゃイヤだもん」


鳴海がピョンピョン跳ねて喜びを表現している。

……アレ?僕、殺られないの?杞憂だった?

それなら別によかったんだけど……。

僕は手に隠し持っている『眠り玉』をしまう。


「さて、僕は帰るとするよ。帰って映画を観ないといけないからね」


僕はそう言って屋上を立ち去ろうとしたが……


「まぁ、ちょっと待てよ」


ガシッと僕の肩を掴む東。

僕はまた東に捕まってしまった。


「東、僕は家に帰って映画を観るという予定が――」


「暇だな」


有無を言わさないね、東。


「で、何なのさ東」


とりあえず僕は用事を聞くことにした。

だって、掴まれた方の肩がミシミシいってたし。


「あぁ霞、日曜日三人で出かけないか?」


「日曜日……」


確か日曜日は髪を切りに行く日だな……。

でも髪を切りたくないんだよな〜

だったら予定を入れてしまえば髪を切らなくてすむな……。

うん、決まりだな。


「うん、いいよ。別に予定ないし」


「そうか、よかったな鳴海」


「へっ!あ…うん!」


アレ?なんか鳴海の顔が赤いような……。


「兄さん!!いけません!!」


突然聞こえる舞の声。

どうやら、屋上の出入り口から聞こえるみたいだ。

そっちを見ると舞が腕を組んでこっちを睨んでいた。


「兄さん、日曜日はついに髪を切る時でしょう!」


「なに!そうなのか!」


大げさ気味に驚く東。

君がそんなに驚く必要ないじゃないか。


「東先輩、鳴海先輩。兄さんをせっかく遊びに誘っていただいたのにすみません」


舞は東と鳴海に頭を下げる。

なんか僕が悪いことをしたみたいじゃないか。


「いやいや、別に謝れるほどじゃないよ」


東が顔を真っ赤にして答えている。

……珍しい。


「兄さんの代わりと言っては難ですが、代わりに私が日曜日に同行させていただいてよろしいでしょうか」


「えっ、霧島さんがですか!」


東は嬉しそうにしているが、鳴海はさっきと違い残念そうだ。


「むぅ、霧島君が行かないなら私は行かないよ」


「そうですか、では東先輩、二人で行きましょう」


「喜んで!」


あ〜あ、顔がニヤケちゃってるよ。


「では、兄さん帰りましょう」


「ちょっと待て、そう言えばお前は何故ここに来た!」


「兄さんが日曜日に予定を入れようとしたのが聞こえたからです」


「聞こえた……どこから?」


「教室です」


教室って……屋上からかなり離れているよな。

まぁ、舞は忍者だし、聞こえるか……。

僕は聞こえないだろうけど。


「兄さん、なにやってるんですか。先輩方はすでに行ってしまいましたよ」


「あ…今いくよ」


僕はみんなを追って屋上を出て行く。

あ〜あ、せっかく髪切らなくてすむと思ったのにな……

どうも、この小説をよんでいたたぎありがとうごさいます。(読者がいるか分からないけど)。コツコツとやり続け、やっと3話です。3話を書くのは苦労しました。操作をミスり全削除を2回やってしまい、かなりショックでした。あの消えたときの喪失感はもう味わいたくありません。 話は変わりますが、今作の主人公は忍者です。しかし、まったく忍者らしくないじゃありませんか!そろそろ『忍者』として活躍させたいものです。さて、なにさせようか……

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