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暗部機関にようこそ!

あ〜〜、遅れました。

言い訳とか今後についてとかは後書きで

「…えっと……」


「ん、どうした霞?」


僕は今、父さんに案内されて、僕が勤めるバイト先へと連れてきてもらんたんだが……


「……ここ、なのか?」


「そうだが?」


え〜〜、僕の目はおかしくないよね。

じゃあ、やっぱり僕が見ている風景に間違いはないよね。


「なんで『墓地』なんだよ!」


そう、墓地です。

墓場です。

memorial parkです。

隣町の保上町ホガミチョウにある御笠霊園だ。

御笠山という山の中腹に存在する、見晴らしの良い霊園だ。


「どうした、早く来い」


墓場の入り口で突っ立っている父さんが、呆然としている僕に声を飛ばす。

その声に僕は我に帰った。


「まてまて父さん!なんか間違ってないか!?バイト先って墓場かよ!!」


「なんだ、怖いのか」


「んな訳あるか!」


「……だろうな」


スタスタと墓場へと入っていく父さん。

仕方なく僕もその後について行く。

霊園内は沢山の墓石が立ち並んでいて、大小様々な墓石がある。


「父さん、僕は墓参りにきたわけじゃないんだけど……」


「分かってる。そう心配するな」


いや、だってねぇ?

父さんだし?


「さて、コイツだ」


父さんに連れられてきたのはあるお墓の前。

霊園の人目のつかない隅にポツンと一つだけ立っていた。

墓石には何も刻まれていない。

"形だけ"のお墓みたいだ。


「ちょっと見てろ」


父さんがそう言うと、墓石の天辺に手のひらをおく。


―ポ〜〜ン―


そんな電子音がした。

その後、


『認識、完了しました』


という人工音声がする。

そして、ゴゴゴッと音を立て墓石が横にずれる。

そこから、地下に続く階段が現れた。


「ついてこい」


父さんはそう言うと、階段を降りてゆく。

僕もその後をついて降りていく。

降り始めると、僕の後方から再びゴゴゴッと音を立てて、入り口が勝手に閉まり始める。


「……父さん、閉まりかけてるけど」


「問題ない」


どこが?と思ったけど、既に入り口は閉まってしまった。

おかげで真っ暗……といっても下の方に灯りがあるのか、微かに光を感じることができる。

しかし、これでは一般人じゃなにも見えないだろう。

だけど、父さんと僕はなんの支障もなく階段を降りていく。

これくらいの暗闇なら普通に周りを認識することはできる。

忍者だから。


階段を降りていくと、ランプに照らされた白い壁にぶち当たる。

つまり、行き止まりだ。

父さんはおもむろに壁に近づく。


『指紋認識、確認しました』


人工音声が響いた。


『声紋認証――』


「忍に名はなし」


『声紋認証、確認しました』


……忍に名はなし、か。

なんだかな〜〜。


『網膜スキャンを行います』


お、網膜スキャンもあるのか……。

なんつーか、厳重じゃないか?


『個人認証終了。ようこそ、霧島様』


そんな人工音声がした後、白い壁がゆっくり持ち上がっていく。

今気づいたけど、どうも何らかの金属の隔壁だったみたいだ。

え?曖昧すぎる?

仕方ないじゃないか。

僕だってよく分からないんだから……。



僕は父さんの後ろをついて歩いている。

SFとかに出てくる宇宙船の内部みたいだ。

本当に宇宙船とかだったりして……。

なんて、映画の観すぎだよね。


「ここだ」


パシュと音を立て扉が開く。

自動ドアですか……。

父さんはためらいなく内部に入っていった。


「ガキ共〜、生きてるか〜」


「ちょっと、霧島の親父さん!なに言ってんですか!?」


「なに、ちょっとしたお茶目じゃないか副長さん」


「いい年した親父がお茶目かよ、キモ!」


「なんだ、ガキ。まだ生きてたか。てっきり死んだもんだと思ってたぞ」


「勝手に殺すな!」


……え〜〜と、お呼びでない?

一体なんですか?この人たちは……。


『霧島様、息子さんが困ってますよ』


部屋全体に響いた声。

その声に、見知らぬ二人がこちらを向く。

やっと気づいたみたいだ。


「えっと、そいつ、親父さんの子供か?」


目つきの悪い少年がこちらを睨む。

たぶん、本人はただ見ているだけなんだろうが、いかせん、目つきが悪すぎた。

見られている方は睨まれているようにしか思えない。

正直、少し怖い。


「おお、紹介する。息子の霞だ」


「……ども」


とりあえず、軽く頭を下げておいた。


「副長がこの前、"あ〜〜〜!人手が足りない!"って言ってただろ?だからウチの息子をバイトにどうだって思ってな」


「それホント!?」


目つきの悪い少年の横にいた少女が、父さんの言葉に喰いついた。

どうやら、この少女が"副長"らしい。

ショートカットの髪型に黄色いカチューシャが印象的だ。


「ああ、こき使ってやれ」


「やった〜〜〜!これで人手不足が緩和されるわ!」


喜ぶ少女と対照的に少年は訝しむ目でいう。


「おい親父。忍三家は闇に不干渉が絶対だろ?いいのかよ?」


「霧島家は三家とは違うんだよ」


「よくわからねーな」


……よくわからないのは僕なんですが?

放置ですか?

自己紹介すらなしですか?


『ほらほら、また霞さんが困ってますよ』


また、全体に響く声。

一体どこから?


「あ、ゴメンね。自己紹介すらしないで。私は樫野 美里。よろしく。で、こっちが……」


「木野 拓也だ。よろしく」


「霧島 霞。よろしく」


「それと……」


『はじめまして、ナビィです』


「え、まただ。一体どこから?」


僕はキョロキョロと周りを見渡してみるが、声の主が分からない。


「あ、探しても無駄だから。ナビィは人工知能……AIだからね。施設全体のシステム管理をしているのよ」


「じ、人工知能!?そんな技術がもうあるのか!?」


『そんな驚かれるものではありませんよ』


声の具合から、少し照れてるようだ。


「それより副長。そろそろ本題」


「あ、そうね」


美里さんがポンと手を叩く。


「暗部機関にようこそ霞君!歓迎するよ。それと……」


美里さんは僕の目の前に"雇用契約書"と印刷された紙を突き出すと


「時給制と日給制と月給制。どれがいい?」


「はぁ?」



ども、月見岳です。

投稿が遅れたのは……そうですね、作者が学生なのと、後……事故って怖いし痛いですね。

今後とも更新していくつもりです。

応援よろしくお願いします。


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