井の中の蛙、大海を知る。
※ほぼ全文が会話です。しかも読みにくいと思います。スミマセン。
僕達が"忍者"であることの理由。
それを父さんから聞かされることになり、自分の部屋で新型爆裂玉の制作をしていた舞を呼び出し、僕達三人は父さんと母さんに向かい合って座った。
「父さん、いきなり呼び出してなんです?」
「お前たちに話しておかないといけないことがあってな、それで集まってもらった」
「何なんですか?」
「我々、"忍者"の存在についてだ」
お前たち、自分がこの現代において"忍者"であることに疑問に思ったことあるか?
そりゃあ頻繁にあるさ。
私もそう思うことがあります。履歴書に書けるようなことではありませんし……。
ボクもそう思うよ。
まぁ、そうだろうな。
……で、ボク達"忍者"の存在ってなんなのさ?
今時、主君に仕えているってことはないんでしょ?
仕えている……じゃないな。組織として存在しているからな。
組織だって?
うむ、三つの忍者の一族が集まって形成された組織、それを『忍三家』と呼んでいる。
そのまんまですね。
うるさい。父さんが考えたんじゃない。
……でだ、その忍三家は、桃地家、鷹山家、黒井家の一族で形成されていて――。
ちょっと待ってよ!
僕達、霧島家は忍三家じゃないの!?
話は最後まで聞け霞。今から話すとこだったんだ。
……ゴメン。
……でだ、我々霧島家は忍三家には入っていない。
我々霧島家の役割、それは『忍三家』のバックアップだ。
バックアップ?
どんな事?
それを話す前に、『忍三家』の役割と『世界』の一部について話しておこう。
まず『世界』の一部についての説明だが、『表の世界』があると同時に『裏の世界』も存在するということは分かるか?
マフィアとかスパイとかの裏社会ってこと?
そうだ。よく分かってるじゃないか。伊達に映画ばっかり観ていないな。
……悪かったね。
まぁ、『裏の世界』は"裏社会"の認識でいい。問題は次だ。
次?
『世界』は階層を為している。だから、裏社会の裏社会が存在する。
この裏の裏社会のことを『闇の世界』と言ってるがな。我々は。
そして、この『闇の世界』こそ"忍者"の仕事場だ。
『闇の世界』ってどういうとこなんです?
『表の世界』より、科学が発展している。オーバーテクノロジーって奴だな。
そして何より、空想の世界でもある。
空想の世界?妄想の世界の間違いじゃないの。
失礼な。父さんは妄想癖なんぞないぞ。
父さん、空想の世界ってどういうこと?
ん?あ〜〜、簡単に言えば、パラレルワールドとか魔力とかだな。
……父さん、精神科行く?
母さん、父さんの言ってることは本当なのですか?
ええ、本当よ。
それに、父さんは言ってないけど『闇の世界』は法律とかそんなの一切関係ないわよ。
命の値段が簡単に付けられるんだから……。
『闇の世界』は『表の世界』の人間には知ることはできない。まぁ、『裏の世界』の人間は何かを感じてはいるだろうが、やはり『闇の世界』を知ることはできない。
もし、知ったとしたら元の世界には戻れない。
もちろん、『闇の世界』より深い世界は存在する。
まぁ、その存在しか分からないがな。
だから『世界の一部を教える』って言ったんだね。
ああ、『世界の全体構造』を知るのは我々"忍者"では無理だからな。
……?ところで『忍三家』の役割って?
おっと、忘れていた。『忍三家』の役割だったな。
このことは母さんから話してもらう。なにせ母さんは鷹山家の人間だったからな。
母さんの方が詳しい。
母さんて、鷹山家ってとこから嫁にきたんだ……。
え〜〜と、『忍三家』の役割だったわね。
簡単に言えば、『忍三家』は『闇の世界』を『表の世界』と『裏の世界』に知られるようにすることよ。
え?『表の世界』と『裏の世界』は『闇の世界』を知ることはできないんじゃないの?
そうよ。だけど、『闇の世界』の住人が『表の世界』に介入は出来るのよ。
もし、『闇の世界』の住人が『表の世界』に『闇の世界』の存在を明かしたら……『世界の階層』がなくなって、世界は混沌と化すわね。
まっ、もし『闇の世界』のことを話ても『表の世界』の人間は実際に"力"を見せない限り信じないでしょうけど……。
だけど、もしその様な存在が現れたりしたり、『闇の世界』で起こった事が漏れそうな感じになったりしたら『忍三家』が処理するのよ。
宮内庁の任を受けてね。
く、宮内庁?
そうよ、『忍三家』は宮内庁の管轄よ。
警視庁とか防衛省の管轄ではちょっと変でしょ。"忍者"として。
……そんなんでいいのかな〜?
でね、霧島家はその『忍三家』のバックアップ及び援護が主な役割なのよ。
ま、今はそんなに任がくることはないわ。大体が『忍三家』で処理してるから。
……さて、大体話す事はこれくらいだな。
もし、まだ知りたいことがあるんだったら自分で知ることだ。
それじゃあ、これにて終了!
あ〜、疲れた……。
母さん、ビール。
もう飲んだでしょ。
ダメよ。
そ、そんな〜〜。
前書きにも書きましたが、ほぼ全文が会話になってしまいました。(というか、そうしました) 次回は元に戻りますので……。