死の道の横
死にたいな、って思うことは多々ある。今なんかもまさにそう。自転車こぎながら、あー死にたい、って考えている。
だからと言って、今すぐに車道に飛び出す気はない。
黙ってペダルを漕いで、大小様々な車が猛スピードで走る国道沿いを、ゆるやかなスピードで走る。自動車が横を通り過ぎるたびに強い風が背中を押していく。髪が乱れる、スカートがはためく。
確かにこんな速度で動く鉄の塊にもろにぶつかったら私は死ぬ。跳ね飛ばされて衝撃きて骨折して地面に叩きつけられて、もしくはひかれて引きずられてぐちぐちになって、もしくはぶちぶちと全身バラバラの原型とどめないぐらいに血液ぶちまけて。
……字にしちゃうとそんなに怖くない感じ。
だからと言ってもやりません。まぁ好きな小説とかありますし、読みたいよね。でもまぁそれも現実逃避に比べれば。って言うか、現実逃避の一部か。
私みたいなのが簡単に思う、死にたい、は現実逃避の一環なんだ。辛いことがあって、死にたい、死んだら楽だろうな、だってあれやこれやに悩まされなくていいんだもん。こんな感じ。
感覚的には、どっか別の世界に行きたいなぁ、と全く同じ。ぶっちゃけ、どこでもいいんだ。ここじゃないどこか、なら。異世界なんてないって知ってる、選ばれし勇者なんてないって知ってる。だから一番近いどこかが黄泉路になってしまったんだ。
死の道は、私のすぐ横。
今はまだ軽い気持ちだけど、いつ本気になるかは分からない。
思春期って思い込み、激しいからね。
自転車でふらふらする話