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プリクラ。

作者: ゆいか



 「別れよう。」

 なんで今日なの?

 なんで2人の記念日なの?

 もう、忘れちゃったの?

 君が私のこともうなんとも思ってないなんて、

 ずっと前から気づいてたよ。

 それでも一緒にいたかったから、

 泣くのも、わがままも、怒るのも、

 全部我慢してたよ?


 君に恋をした。

 私は恋に落ちた。

 物も景色も香りも場所も、

 私にとっては全て君だった。

 何をしてても君の影が残ってて、

 今でも胸が苦しいよ?


 初めて君と撮ったプリクラ。

 恥ずかしくってうまく笑えなかったけど、

 間違いなく2人は笑ってて。

 それは今でも変わらずにケータイの裏に貼りついてる。

 そして、今でも笑ってる。

 なのにあの頃より悲しげで、傷だらけ。


 それでも君が今笑ってるなら、

 私は笑顔のない幸せ。

 鳴らないケータイは抜け殻のように固まってる。

 耳をすり抜けていく音楽はただ私の泣き声を消している。


 明日には笑える。

 それは嘘かもしれない。

 それは強がりかもしれない。

 それでもいい。

 君で私はたぶん強くなれる。


 もう一枚の君とのプリクラは

 電池パックのカバーの裏で、

 今も無傷で笑ってる。


 涙が出そうでも、

 それは上を向いて歩けって

 私の中の私が次の恋へ後押ししてくれてる証。


 ありがとう。

 さよならが言える私にしてくれて。

 大好きでした。






 

 




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― 新着の感想 ―
[一言] ケータイとプリクラでこんなに良い短編が書けるなんて…。 グッときました、とてもよかったです。 ありがとうございました。
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