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イレイザー ─仁和歌者─  作者: 姫乃 只紫
各章の人物紹介
1/10

『氷柱少女の登場人物』

大野木(おおのき) ココ】

 イレイザーシリーズの主人公。

 アルビノ+美(?)少女+ポン刀+記憶喪失(正確に言うと七歳までの記憶が不明瞭)と、考えた奴が未だに思春期特有のあの「病」を患っているとしか思えないキャラ。某ケータイ小説の「とりあえず社会的にアウトなスイッチ全部押しちゃえ~♪」みたいなノリにやや通ずるところがある。多分。

 基本気弱で要領も悪いが、「年頃の女子が抱える身体的・精神的コンプレックス(作中ではココが〈女の子の部分〉と表現。なんかエロい)は絶対に馬鹿にしたりからかったりしない」、「弔い合戦は死者を盾にして罪の意識から逃げる言い訳に過ぎない」などなど、独自の美学や行動規範を持っている。ただ、その分その美学や規範から逸れた行動をとってしまった際の自己嫌悪は凄まじく、立ち直るのに一苦労したりすることも。

 勘違いされやすいがレズビアンではない。あのような短編(『冷たい指輪』を参照)書いたが断じてそうではない。あれは一片の隙もなければ一点の曇りもない「義姉妹愛」だ。それ以上でもそれ以下でもないぞ。

「誰にも知られることのない、どんなに命を懸けて頑張っても誰にも感謝されることのない世界で孤独に戦う主人公」と、この設定だけ見るとひと昔前の変身ヒーローを彷彿とさせる。というか意識してそう書いた。うん。


【大野木 (あきら)

 主人公の義姉その一兼主人公の癒し役その一。

 当初は髪型がポニテだったが、ハーフアップの方がオトナっぽい=アネゴキャラっぽかったのでそっちに変更。赤いピアスをさせたのもそのため。もっとも小説という媒体なんであんま意味はない。

 外見は活発、中身は乙女(?)という特にこれといって変化球を意識していない「ド」が付く程のストレートキャラ。ココからの義姉としての評価は割と高めだが、ココを特化して溺愛しているため「六人義姉妹のお姉ちゃん」としては正直微妙なところ。そんな彼女もごく稀にいいことを言う。まれーにだけど。

 あと念のためもう一度言うがココはレズビアンではない。そうではないが、晶はまあうん……どうだろう。

 空気は読めない。というより読もうともしない(アルビノの義妹に平然と『ユキンコ』という仇名を付けるあたり、その神経のズ太さは中々のもの)。結果それが引き金となって要らぬ争いが起きることも多々あるが、個性溢れるわりに受け身姿勢が多い義姉妹の中では良くも悪くも事態を動かすために欠かせない存在。

 頑張れ「皆大好き晶お姉ちゃん」。


【大野木 鏡花(きょうか)

 主人公の義妹その一兼主人公のサポート役その一。

 典型的な二次元だからこそ許容されるキャラ。こんな中学生女子(13)いたら怖過ぎるわ。フツーに泣くわ。ちなみに年齢だけだと誤解を受けやすいが中一ではなく中二。……いや「病」の方じゃなくてそのままの意味でね?

 メガネっ娘+賢者という設定のみが決まっていた段階では、裏設定も含め「隙のないクールビューティー」を目指していたはずが、気がつけば「照れ屋」、「義父のことが好きで妖怪研究を始めた」、「甘いものが好きなのをココ以外の人間に隠している」などなど隙だらけになっていた。隙のないクールビューティー(笑)。

 訊いてもいないことまでベラベラとひけらかす昨今ありがちな賢者キャラにしては珍しく(そうか?)、自らが努力の末取得した知識は人に訊かれぬ限りはまず披露することがない。この辺りは恥じているというより(わきま)えているという表現の方が正しいか。そういった点でも割と常識人(思ったことを遠慮なくズバズバ口にするきらいはあるが)のためか、家族の中では結構オイシイ立ち位置にいる。程よくいじったりいじられたり。ココ曰く「色んな意味で可愛い子」。他ならぬ作者自身もそう思う。


【大野木 ささめ】

 主人公の義姉その二兼主人公のサポート役(?)その二。

 個人的に名前は一番気に入っている。ちょっとトゲのある女の子のひらがな名前ってめっさツボ。皆もいくら特別な意味が込めやすいからって漢字ばっかり優遇せず、もっとひらがな名前(特に女の子)の素晴らしさを知るべきだと思う。例えば「さくら」って名前の女の子がいるとするじゃない? そしたら「桜」って漢字で表記するより、ひらがなで表記した方が何というかこう……可愛いだろうがっ!

 六人義姉妹一の常識人。日頃の粗野っぽい言動(本人も自覚はあるが改める気はないらしい)から他人に一匹オオカミの如き印象を与えがちだが、学校ではそれなりに社交性もある優等生。というか、他の義姉妹の社交性が低過ぎ。晶だって一見友だち多そうに見えて、朝から晩まで場所を問わずユキンコLOVE状態だから実質友だちいないに等しいし。

 つくしを特別溺愛していたように思われがちだが、実は等しく世話を焼いていたらしい。それは晶が義妹達と「仲良くなる」ことを重視したのに対し、ささめは義妹達を「守る」ことを重視したから。要するに愛し方・接し方の違い。まるで不器用な父親のようだ。完全に未登場の義父を喰っているな……。

 涙腺が緩むと、「ココとの一件(『イレイザー ─氷柱少女─』参照)」を言い訳にしがちだが、第一弾を見る限り義姉妹の前で泣かなかっただけで元来涙脆いタチだったと思われる。普段強気な女の子が実は泣き虫とか、もう最高だね。大好物です。


【大野木 ひな】

 主人公の義妹その二兼主人公の癒し役その二。

 晶とは異なるベクトルでの癒しキャラが欲しかったのと、何かと不器用なココが不器用なりに「いいお姉ちゃん」をやっているところを書きたかったから作ったキャラ。五女が〈不在〉の段階で物語がスタートするので「ロリ分足りねェ……」とかそんな衝動から作ったキャラなんじゃないの言われたらその発想は言うまでもなくあった。

 ちなみに名前が「ひな」とひらがな表記なのは前述した私のこだわりを参照。「雛」だと画数多いし、何か可愛くないよね。

 四歳児離れした空気読解能力の持ち主で、末っ子にして縁の下の力持ち。第一弾『イレイザー ─氷柱少女─』ではココとささめが「壁」を乗り越えるためのきっかけを作ったと言っても過言ではない。

 とはいえ、その出来過ぎた義妹っぷりがココには逆に心配のタネになってる。右耳に抱えた障碍(しょうがい)がその痛々しさに拍車をかける。ちなみに身内に対しても敬語を使う理由は不明。親しき仲にもなんとやらがこの年にしてモットーなのか、それとも……。

 一番の問題は出しゃばらないというか縁の下の力持ち過ぎて出番が少ないこと。そこらへんは番外編で補完したいなぁ(願望)。


【大野木 つくし】

 主人公の義妹──という事実こそあれ、言うまでもなく「ささめの義妹」を意識して書いたキャラ。打算的な言い方をするとささめを第三弾から副主人公として扱えるキャラにするための布石。身も蓋もないな。でも愛は込めたから全然オッケー。

 第一弾『イレイザー ─氷柱少女─』から〈不在〉故ココやささめの独白でしかその人物像は語られていないが、どうやらやたらと精神年齢が老け込んだ娘の多いこの義姉妹にしては珍しく年相応の振る舞いをしていた模様。

 義姉たちのことは「○○ねーちん」と呼ぶ。末妹が優秀過ぎるのでちょっとくらいアホのコ的な要素を入れてみた。どうせ登場数あってないようなもんなんだし語尾付けちゃえばいいでね? という悪魔の囁きも聞こえたけど、それは流石に止めた。特徴的な語尾付いたキャラ出しちゃうと「ああこのヘタレ作者語尾でキャラの書き分けしようとしてるな」とか思われそうでコワイので。あっ、そういう意図とか抜きで語尾キャラ使ってるって方いたらすいません。

 ヒナ同様番外編で補完してもいいけれど、この娘の場合は義姉たちの独白のみで詳細な人物像は読み手の想像に任せるってスタイルでもいいかなとは思ったりする。ホント正直な話ね。


【大野木 まこ】

 大野木六人義姉妹の義母。

 昨今の漫画やアニメにありがちなおっとりママンキャラのテンプレ──だったら良かったのになぁ……げふんっげふんっ。

 美人で優しくて料理上手な理想の母親──というよりは姉さん。晶曰く「年の話題を振ると怒る」とのことだが、実年齢はまだ二十の半ば。実際のところは、義娘たちにとって親しみやすい対象であるために、わざとおどけて怒ったふりをしているのかもしれない。

 鏡花に何かとちょっかいをかけるのは、ココ曰く「真面目な鏡花さんの反応を楽しんでいる」とのこと。まあそれも──あるにはあるのだろうが、やはり閉じこもりがちな鏡花の性格を少しでもオープンに、という思いが強いのだろう。しかし、肝心の鏡花はひそかにココと割と女子中学生らしい交流を図っていたりとどうにも母としての努力が報われていないというか、空回りしている(第三弾ではココに六花模様の弁当包みを買ったりと母以前にそれは人としてどうなんだという)点も。一部義娘たちから姉さんや呼び捨てにされているところからも、「友だち親子」の感覚が抜けきっていないことが見て取れる。

 とはいえ、何だかんだでささめからは出来た大人として一目置かれている模様。そう、彼女の子育て奮闘記はまだ始まったばかりなのである。

 余談だが、『大野木』という名字と第二弾に登場した『鬼神』という単語から、民俗学をかじった読者なら今後のストーリー展開が大凡予測できるか──というと別段そうでもない。

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