⭕ 涙真珠と鱗 4
──*──*──*── 神殿
大扉の中には、一際巨大な女性の像が聳え立っている。
何故、十字架に磔られているのかは不明だ。
マオ
「 ……………………なぁ、セロ。
何でこの像の女性は十字架に磔られてるんだ?
もしかして罪人?? 」
セロフィート
「 いいえ、その逆です。
彼女は聖女であり、聖母として崇め奉られていた女王です 」
マオ
「 へ…へぇ……。
女王様なのに十字架に磔られてるんだ?? 」
セロフィート
「 この十字架には様々な宝石が嵌め込まれていました。
今は見る影も無いですけど、当時はとても美しくきらびやかな十字架でした。
聖女であり、聖母として崇め奉られた女王に対して、“ ≪ 天界 ≫へ帰還してほしくない ” という民衆達の強い想いを形にした石像です。
≪ 天界 ≫へ帰還が出来ない様にと美しい宝石を散り嵌めた十字架に磔ています 」
マオ
「 へ…へぇ~~。
帰還してほしくなくて……。
じゃあ、この女王様は人間じゃなくて天使族って事か? 」
セロフィート
「 いえ、人間から産まれた正真正銘の人間です。
時代に見合わぬ程素晴らしい逸材だったので、民衆達から必要以上に美化されてしまっただけです。
普通に老いて寿命を迎え、人間として亡くなりましたよ 」
マオ
「 そうなんだ?
一寸安心したかも 」
セロフィート
「 石像を作られた本人は複雑な心境だったでしょう 」
マオ
「 そだな……。
幾ら綺麗な宝石を散り嵌められた十字架だからって、磔にされたらなぁ……。
オレならドン引きしちゃうよ 」
セロフィート
「 彼女が産んだ赤子が皆男子だった事も関係しているでしょうね 」
マオ
「 そうなのか? 」
セロフィート
「 彼女は娘を欲しがりました。
然し、授かった赤子は皆男子ばかり。
結局、彼女は1度も女子を産む事は無く、娘を抱く事は叶いませんでした 」
マオ
「 なんか……可哀想だな……。
男子が産まれる確率が大幅に減少したってのに産む度に男子だった──ってのも辛いよな? 」
セロフィート
「 産まれた男子は直ぐに取り上げられ、皇族に保護されてしまいましたから、子育ての経験も出来ませんでした 」
マオ
「 産んだ度に赤子が連れて行かれるのも母親としては辛いよな……。
結局、子供は何人産んだんだ? 」
セロフィート
「 14人です。
随分と皇族へ貢献した事になります 」
マオ
「 14人も産んだんだ。
なのに1人も手元に残らなかったんだ……。
連れ去られた赤子は皇族の女性達の相手をする為に調教されて──、子種として利用された……。
酷い時代だったんだな…… 」
セロフィート
「 “ 大陸の意思 ” の恐ろしさが分かるでしょう 」
マオ
「 そだな…… 」
磔にされた女王の石像の後ろには奥に続く通路が在る。
セロと並んで奥へ続く通路を歩く。
──*──*──*── 神殿・奥
奥の部屋には数体の人魚族が既に控えていた。
まるでセロを出迎える為に集められたんじゃないかと思ってしまう。
現れたセロ──いや、〈 久遠実成 〉に作られた〈 ゴデッセルロドール 〉に対して、腰から上を下げて、深々と頭を垂れている。
最初の時と比べて随分と態度が違うな……。
一際大きくて立派な椅子には、偉い人物が腰掛けている。
もしかして、肉食系の人魚族を束ねる人魚族の長かも知れない。
という事はだ、統轄者ポセイドン神の眷属──統治者の直系の子孫かな?
巨漢だし、すっごく威厳が有って厳しそうな人魚族だ。
セロは何も言わない。
ニコニコ笑顔で人魚族の長を見上げている。
マオ
「{ セロ、何か言わなくて良いのか?
黙りしてないでさ、早く鱗を返してやろうよ }」
セロフィート
「 謝罪が有りませんね。
何をしたのか、事の重大さを理解してません? 」
マオ
「 セロぉ!?
いきなり何を言い出すんだよぉ!! 」
セロフィート
「 今なら謝罪を受け入れますけど? 」
人魚族の長(?)の巨体が少しだけ動いた気がする。
どうやら、セロの声は聞こえてるみたいだ。
マオ
「 セロぉ…… 」
セロフィート
「 まさか──、椅子に腰掛けた状態で、ワタシに謝罪するつもりでは無いですね? 」
マオ
「 セロぉ~~!
相手を煽るなよぉ! 」
セロフィート
「 別に煽ってませんし 」
セロはオレの頭を優しく撫でながら言う。
人魚族の長(?)の巨体がゴソゴソと動く。
人魚族の長(?)は椅子から腰を上げて立ち上がると魚の部分となっているの下半身を床に付けて、深々とセロに対して頭を下げた。
控えて並んでいた人魚族達も同様に下半身を床に付けて、深々とセロに対して頭を下げる。
セロフィート
「 その謝罪は何に対する謝罪でしょう。
許してもらう為の謝罪であるなら、ワタシは謝罪を受け入れません 」
マオ
「 …………セロぉ~~ 」
セロフィート
「 無礼を働いた事に対する罰は受けてもらいます。
良いですね 」
マオ
「 セロ、罰って何を与える気だよ?
良からぬ事じゃないよな? 」
オレは不安になって、セロの着ているコートの袖を引っ張る。
笑顔を絶やさないセロだけど、実は怒ってるのか??
セロフィート
「 マオ──。
例え手違いで有っても、3日も[ 牢屋 ]へ入れられていたのです。
お咎め無しという訳にはいきません。
きちんと相応の報いを受け、償ってもらいます。
それとも何の罰も与えず〈 テフ 〉へ変換してしまえば良
マオ
「 えっ? 」
セロフィート
「 〈 テ
マオ
「 ………………それは……そうだけど…… 」
セロフィート
「 マオは〈 テ
マオ
「 ……………だってさ、大人しく[ 牢屋 ]に入
出
オレは『 早く出
セロフィート
「 マオ…… 」
マオ
「 もしかして、人魚族に罰
違うよな?? 」
セロフィート
「 バレちゃいました?
ふふふ…… 」
マオ
「 セロぉ! 」
セロフィート
「 安心してください。
寛大なマオに免
今回限りですよ 」
マオ
「 セロぉ~~(////)
そうだよな!
オレ達にも非は有るもんな 」
良
セロが思い留
オレは嬉しくてセロの腰辺
セロも満更じゃ無さそうだ(////)
《 宿
セロフィート
「 今回は命
ワタシのマオに感謝なさい。
次は無いです 」
マオ
「 えと…………〈 ゴデ
先代さんと今のセロは別人なんだ。
だから──、目の前
セロフィート
「 マオ……。
君
人魚族はエルゼシア語を知りませんよ 」
マオ
「 それを通
通訳魔法とか翻訳魔法とか便利な魔法
セロフィート
「 はいはい。
そうでしたね。
ウッカリしてました♪ 」
マオ
「 ………………絶対態
セロフィート
「 そんな事── 」
セロは困った様
絶対に態
何
翻訳魔法の力
セロへの誤解も解
3日も[ 牢屋 ]で過ごしていたからか、人魚族の長
セロに頼んだけど、転移魔法は使ってくれないみたいだ。
またシャボン玉
人魚族の長
シャボン玉
《 水族館 》では体験の出来ない海
遥か昔に絶滅してしまった海の支配者達の姿を生
◎ 訂正しました。
素晴らしい人材だったので、─→ 素晴らしい逸材だったので、




