✒ 涙真珠と鱗 1
──*──*──*── 翌日
セロの古代魔法で、割れないシャボン玉に包まれた状態で海の中へ入る。
中からシャボン玉に手を触れると、触った方向へシャボン玉が動く様になっている。
左に触れれば、右へ進むし、右に触れれば、右へ進む。
前に触れれば前進するし、後ろに触れれば後退する。
至って簡単な操作でシャボン玉を動かす事が出来る。
シャボン玉はゆっくりと海底へ下りている。
マオ
「 どんどん海中の色が濃くなって来る──。
その内、真っ暗になるんじゃないのか? 」
セロフィート
「 怖いです? 」
マオ
「 こ…怖くない!
ただ……魚も見えないし……不気味だなって………… 」
セロフィート
「 海中に光は届きませんからね。
水圧で押し潰される事はないです。
安心してください 」
マオ
「 水圧……。
巨大なタコとかイカとか鮫とかに襲われたりしないか? 」
セロフィート
「 大丈夫です。
シャボン玉の半径100mに結界を張ってますし 」
マオ
「 そうなんだ?
それなら安心かな? 」
セロフィート
「 手が震えてますね 」
セロはオレの左手を触ってくれる。
成長が止まってしまったオレの手よりも大きい大人の手──。
女性よりも綺麗でスラッと長い──だけど人の温かみを感じられない冷たい手だ。
セロが人間の姿をした特殊な人形で、人間じゃないって実感してしまう。
宇宙背景放射内部の広大な宇宙空間を管理している〈 久遠実成 〉に作られた生き人形──。
人知を超える不思議な力で生かされている人間の容姿をした生き人形──。
1万年という長い様で短い寿命を与えられた生き人形──。
寿命を与えられた≪ 地球 ≫に天寿を全うさせる為、≪ 地球 ≫の寿命を縮ませる原因を生み出す種族を駆除したり、排除する使命に生きる人形──。
そんな凄い立場の存在のセロと出逢って──、オレセロに一目惚れをした。
短い期間だったけど、セロと一緒に暮らして──、セロの護衛として≪ 都 ≫を出て──、数年一緒に旅をして──、セロと離れたくなくて “ 魂の契約 ” をして──、オレは人間を止めた。
自分の心臓をセロに捧げて──、セロだけのマオ・ユーグナルになって──、人間を止めたオレは不老不死になった。
だけど…………人間として産まれたけど、オレは人間じゃなかった。
≪ 地球 ≫の子供で──、何度転生しても≪ 地球 ≫の子供として産まれる〈 皇 〉という存在だった。
≪ 大陸 ≫の持ち主で、真の主で、≪ 大陸 ≫で生きる陸民は、〈 皇 〉が保護する対象だ。
≪ 大陸 ≫を沈ませたり、≪ 国 ≫を滅ぼして文明を終わらせたり、人類の数を減らす掃除をする立場の人形とは、本来ならば相容れない関係らしい──。
今のセロとオレみたいに隣に並んで、仲良く手を繋ぎ合う関係になる事は無くて──。
セロとオレの関係は、とても稀でいて、稀有な状態だって事だ。
人形と転生した〈 皇 〉が “ 魂の契約 ” をするなんて、考えられない事らしい。
大事な心臓を人形に捧げて、〈 皇 〉としての役目も果たさず、自ら人形の所有物となって、人形に依存する生活に甘んじているなんて──。
そんな〈 皇 〉の生まれ変わりは、オレ以外に存在しないらしい。
本来ならば敵対関係で有る筈の人形──セロを愛しちゃってるオレは、〈 皇 〉失格なんじゃないのかな……。
本当なら≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 皇 〉として、≪ エルゼシア大陸 ≫の真の主として、陸民が健やかに平和に豊かに暮らせる様に〈 大陸神 〉に祈りを捧げないといけないのに──。
セロフィート
「 マオ、どうしました?
代わり映えのしない海中に飽きました? 」
マオ
「 一寸考え事をしてたんだ 」
セロフィート
「 考え事です? 」
マオ
「 うん……。
これから人魚族に会うわけだろ?
襲われたりしないかな──って……。
特にさ肉食系の人魚族とか…… 」
セロフィート
「 その事ですか。
海を統治するポセイドン神は、神族ではないですけど、人魚族の王であり、父でもあります。
大丈夫です。
〈 ゴデッセルロドール 〉に敵意を向ける様な愚行は犯しません 」
マオ
「 そうなんだ?
海に統治者なんて居たんだな 」
セロフィート
「 地上の統治者は〈 皇 〉ですよ 」
マオ
「 そう…なんだ? 」
セロフィート
「 地上には≪ 大陸 ≫が幾つも存在してます。
≪ 大陸 ≫の統治者は≪ 大陸 ≫の真の持ち主である〈 皇
マオ
「 長期出張が有るからだな 」
セロフィート
「 海の統治者はポセイドン神
マオ
「 そうなのか? 」
セロフィート
「 海は地上より広大です。
海は管理し易くする為、7つの領海に分けられています 」
マオ
「 7つの領海!?
伝説の海賊王だな! 」
セロフィート
「 マオ、≪ 地球
7つの領海を制覇した海賊王なんて居
海賊王の伝説なんて与
マオ
「 言ってみただけだって……。
7つに分けた領海に統治者が居
セロフィート
「 統轄者ポセイドン神
7体の眷属が其
あくまで管理者ですから、統治者とは違います。
統轄者ポセイドン神
統轄者ポセイドン神
人魚族を束
マオ
「 へぇ、そうなんだ。
オレの知らない事って未
セロフィート
「 〈 皇
セロは笑顔でオレの頭を撫でやがる。
セロめぇ~~、子供扱いを止
マオ
「 オレはセロが寿命を迎える迄は〈 皇
セロと一緒に旅を楽しむんだからさ 」
セロフィート
「 はいはい(////)
≪ エルゼシア大陸 ≫よりワタシを選んでくれて嬉しいです 」
マオ
「 うん(////)
オレの1番は≪ エルゼシア大陸 ≫の陸
セロフィート
「 有
セロがオレの左
手と同
セロフィート
「 マオ──、そろそろ涙真珠を返す人魚族の≪ 国
マオ
「 凄
光
セロフィート
「 海底に生
マオ
「 ランプの明かりみたいに優しい光
セロフィート
「 ワタシより8代前
マオ
「 えっ!?
セロの8代前
そんな大昔に繁栄してた≪ 国
セロフィート
「 人魚族が住み着いて3万年──でしょうか 」
マオ
「 3万年も此
セロが3体分
何
セロフィート
「 涙真珠を返してしまいましょう 」
マオ
「 そだな 」
シャボン玉
光
カラフルな光
幻想的で綺麗だ──。




