✒ 龍宮城 10
──*──*──*── 謁見の間
《 闘技場 》から[ 謁見の間 ]へ戻って来ると、宴が始まっていた。
セロはポアリナーラさんとポアリナーラさんの母親,ポセイレードさんの母親からチヤホヤされている。
どうやら部屋の模様替えは無事に終わったみたいだ。
セロへのチヤホヤ度を見るに、模様替えに対して、かなり満足している様に思う。
マオ
「 セロ!
模様替え、気に入ってもらえたみたいだな 」
セロフィート
「 マオ──。
お蔭様でアリエムさんとマリエムさんの社会勉強の件は解決しました。
アリエムさんもマリエムさんも喜んでました 」
マオ
「 そうなんだ。
地上に行くのを許してもらえたんだな。
キノコンの強さも分かってもらえたよ 」
セロフィート
「 それは良かったです。
ポセイレードさんにキノコンは気に入ってもらえました? 」
マオ
「 え?
う…うん……キノコンに興味は持ったみたいだけど……。
戦士達とキノコンは打ち解けてたよ 」
セロフィート
「 それは良かったです。
ポアリナーラさん達から『 キノコンを1体、《 龍宮城 》へ住まわせたい 』と打診が有りました。
ポセイレードさんから許可が下りれば、残して行く予定です 」
マオ
「 マジで!?
{ キノコンをポアリナーラさん達にも売り込んだのかよ? }」
セロフィート
「{ 当然です。
地上で暮らしている間に故郷が無くなってしまっては、アリエムさんとマリエムさんが悲しむでしょうに。
キノコンが入れば余程の事でもない限り、《 龍宮城 》は安全です }」
マオ
「 ………………。
でもさ、雑食系で人間や怪物も襲って喰べちゃう物騒な人魚族を襲う様な更に物騒な種族が居るのかよ? 」
セロフィート
「 人魚族にも天敵となる種族は居ます。
天敵や脅威から住み処,家族,仲間を衛る為に戦士達が居るのです。
草食系人魚族,肉食系人魚族の戦士に比べれば確かに強いですけど、天敵を前にしては無事では済みません。
海中世界は地上世界に比べてパワーバランスがデタラメです。
何事も備え有ればです。
{ 人魚族が倒した怪物もキノコンを通して地上へ持ち込む事も出来ます。
タダで素材となる怪物を手に入れる事が出来ます♪ }」
マオ
「{ ちゃんと目的が有るんだな }」
セロフィート
「 当然です。
囲碁も広めさせます。
囲碁を知らないで指揮官の命に従うのと、囲碁を知った上で指揮官の命に従うのとでは、戦士達の生存率が変わります。
陣取りゲームの囲碁を嗜む事で、戦士の1人1人が戦術と戦略を学ぶ事も出来ます 」
マオ
「 確かに戦には戦術と戦略は必要だよな。
実際に戦う戦士達に知識が有れば、どう動けば最善なのか判断がし易くなるだろうし、生存率も上がりそうだよな 」
セロフィート
「 戦場で囲碁で学んだ事を上手く活かせれば、どの様に敵へ攻め込み、敵を分断させ、敵を詰めるのか──各々で考え、判断する事も出来る様にもなりますし、制圧する為には何れだけの数を向かわせれば良いかも分かって来ます 」
マオ
「 確かに……。
オレには向かなそうだけどな 」
セロフィート
「 マオの場合は作戦を立てずとも1人で迎え撃ち、制圧も出来る程度には鍛えてます 」
マオ
「 制圧は言い過ぎだろ。
死なないけど疲れるし、食事や睡眠を取らないといけないから、不眠不休では戦えないじゃないか 」
セロフィート
「 アミュレットが有るでしょう。
魔法を使えば直ぐ済みます 」
マオ
「 それだと大量虐殺になっちゃうだろが! 」
セロフィート
「 人類に関しては10分の1さえ残しておけば良いのです。
1つの≪ 大陸 ≫を残し、残りを消しても問題無いです 」
マオ
「 セロはそうかも知れないけど──。
例えの規模がデカいんだよなぁ 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 そんな事を平然と言ってるから〈 皇 〉から敵視されるんだぞ 」
セロフィート
「 別に構いませんし。
相容れぬ存在は何処にでも居るものです。
人形は一々気にしません 」
マオ
「 …………………… 」
セロフィート
「 ふふふ…(////)
マオ、膨れないでください。
河豚の真似してます? 」
マオ
「 してない! 」
セロと話していると近付いて来たポセイレードさんさんに声を掛けられた。
どうやらセロと話をしたいみたいだ。
キノコンの事かも知れない。
《 龍宮城 》もキノコンの手中に治まる事になるのか……。
こっそり《 龍宮城 》の何処かに≪ キノコンタウン ≫を作っちゃうかも知れないな。
キノコンならやりそうだ!
セロはポセイレードさんと話を始めたから、オレは離れる事にした。
歌いながら踊っている人魚族の中にキノコンも混ざっている。
ピカピカ光る棒を持って、キレッキレッのオタダンスを披露している。
いゃいゃいゃいゃ──めっちゃ可愛いんだけどぉ~~♥️♥️♥️
ちくしょお~~~~スマホが有ったら、動画に残せたのにぃ~~!!
キノコンと人魚族のコラボダンス──撮りたいっ!!
キノコンと分身体が楽しそうに披露しているオタダンスは、人魚族には大好評で、宴のボルテージは始まった頃より高まっている。
“ 可愛い ” って間違いなく最強だな!
オレはオタダンスなんて踊りたくないけどなぁ~~。
ハードそうだし、宮廷舞踏を踊るよりも恥ずかしいもんな(////)
セロにも絶対に踊ってほしくないダンスの1つだ。
セロが「 踊りたい 」って行っても、オレは全力で阻止するぞ!!
さてと──、オレは何をしようかな?
こういう時、ゲームだと複数の選択肢が出て来るんだろうか──。
それとも自由に動き回って、色んなキャラクター達と会話をするのかな?
オレから話し掛ける様な相手は──、特に居ないんだよなぁ……。
こういう時、シュンシュンやキギナが居てくれたら退屈しないで済むんだろうな。
忙しくて大変な思いをする事になるだろうけど……。
態々自分から見知らぬ人へ声を掛けて親しくなろうというコミュ力を持ち合わせてないから、ヘルシー過ぎる海藻サラダを食べる事にした。
やっぱり海藻サラダにはドレッシングが欲しいよな。
黙々と海藻サラダを食べていると、海亀さんが近付いて来た。
人魚族じゃないオレには海亀さんの見分けが付かないから困る。
海亀さんから言われたのは、地上へ戻る前に「 お土産を渡したい 」との事。
おぃおぃおぃ…………開けたら白い煙が出て来る玉手箱じゃないよな!?
不老不死だから、爺さんになる事は先ず無いとは思うけど──、セロに相談しないとだぞ!!
盗撮や盗聴するヤバい古代魔法が有るんだから、中身を透視する便利な古代魔法だって有る筈だ!
ポセイレードさんさんは何時までセロと話してる気だろう?
キノコンの事だけじゃないのかな?
オレは海亀さんに頼んで、借りてる部屋に案内してもらう事にした。
[ 謁見の間 ]に居ても特にする事が無いからだ。
海亀さんは快く引き受けてくれた。
[ 謁見の間 ]を出て長い廊下を進んで部屋の前に着く。
海亀さんに御礼を言って部屋のドアを開ける。
海亀さんはスイスイと泳ぎながら廊下を戻って行った。
──*──*──*── 部屋
部屋に入ると瞬間に全身が乾く。
バスローブに着替えて、ブーツを脱いだら、ベッドの上に飛び込む。
今日は特に疲れてる訳じゃないんだないんだけど、ベッドの上に寝転がった瞬間、眠気に襲われた。
海中でも睡魔には敵わないな──。




