第二十六章59 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト3】59/第13班/【出鱈目の序列第0席】に逢いに行く08
【芳一】が作り出した【レベル1】の【翻訳結果】の1つ【フィギュアチェンジ】。
その一部分だけ少し紹介しよう。
【幸夫】は、
「なぁ、【納子】ぉ~。
頼むよぉ~。
ヒーローには可愛いヒロインがつきものなんだからさぁ。
お前なら無茶苦茶美人だし。
絶対適任だと思うんだよ。
頼むよぉ~。
土下座して頼むからさぁ~」
と言った。
【納子】は、
「やぁ~よ。
何で私もヒーローをやらなきゃならないのよ。
それに、あんたが作った私用のフィギュア。
凄くエッチなデザインじゃない。
それになれっての?
い・や・よ。
恥ずかしい・・・」
と拒絶した。
だが、【幸夫】に無茶苦茶美人と言われて悪い気はしなかった。
【納子】は【幸夫】の事が好きなのだ。
だけど素直じゃない【納子】はそれをストレートに表現出来ない。
【幸夫】は【納子】の事をどう思っているのか?
それを思うと夜も眠れないほど好きなのに。
それに、【幸夫】が望むなら本当は協力してあげたい。
どうしようもない【ヒーローオタク】であっても【納子】にとっては小さい頃からの大好きな男の子なのだ。
女子は誰も【幸夫】の事を好きにならない。
それは嬉しくもあり、悲しくもあった。
【幸夫】はこんなにいい男なのに、他の女子はその魅力に気付かない。
そう思っていた。
ライバルに【幸夫】を取られる心配は無かったのだが、ここへ来て【造型】の腕がフューチャーされて、【幸夫】が急にモテ出したのだ。
今まで見向きもしてなかったくせに、急に、【幸夫】にアプローチを仕掛ける女子が増えたのを【納子】は面白く思っていなかった。
幸い、【幸夫】は超がつくほど鈍感なので、そう言う女子達の匂わせに全く気付かない。
だが、いつ、【幸夫】に直接告白する女子が現れるか?
それが不安でもあった。
乙女心は複雑なのだ。
【納子】は、
「はぁ・・・」
とため息をつき、
「仕方ないから、ヒーローになってあげても良いけど、そのデザインは駄目。
もっと可愛いのにしなさい。
じゃ、なきゃ、変身してあげないから」
と言った。
結局、協力するのである。




