第二十六章53 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト3】53/第13班/【出鱈目の序列第0席】に逢いに行く02
ちなみに【らためでデメレテ(・デテメレメテデ・でたらめらため)】と【アイネ・クライネ】が【ファーブラ・フィクタイズム】に対して望む事は説明が付かない事への【翻訳】である。
【出鱈目】の力は通常の人間には理解されにくい。
せっかく発動しても普通の人間には意味不明と映る事が当たり前となっている。
その事に対して、【芳一】は自分なりに解釈し、それを普通の人間にも間接的に理解出来る様に【翻訳】する。
【全て以外】や、【全て以外の意味違い】、【宇宙の上の単位】などが正にそれである。
通常では人間の思考にない物事を【芳一】は、人間の使っている言葉だけで説明している。
それを【ファーブラ・フィクタイズム】でもやって欲しいとの事だった。
とは言え、それは簡単な事ではない。
【全て以外】、
【全て以外の意味違い】、
【宇宙の上の単位】、
などは意味不明のものの中でも比較的分かり易いものだ。
それは普通の言葉を使っただけでイメージが何となく出来るからである。
問題は通常の言葉ではどうやっても説明出来ない物も数多く、いや、もっと有る。
それらを説明するのに文字情報だけでは全然足りないのだ。
絵を用いても限界がある。
深淵の中の深淵の事を説明する言葉は地球上に存在しないため、それを説明する言葉を新たに作らなくてはならない。
つまり、直接の表現では伝える事が出来ず、途中に翻訳機となる言葉を新たに用意して、解説する必要が出てくる。
イメージ的に表現すれば連立方程式を解く様な感覚だろう。
例えば、
X引くYイコール3だけだとXとYがどんな数字か解らないが、
X引くYイコール3と
X足すYイコール7と言う連立方程式にすれば、
Xイコール5、
Yイコール2、
と言うのが解ると言う事である。
つまり、それを表現する言葉だけでは説明が付かず、他の言葉を関連づけて説明するものもあるのだ。
ただ、これも全体からすればほんの一握りであり、本当に難しいのは煮ても焼いてもそこに届かない物も数多く存在しているのだ。
その世界の光景が見える者には何となくわかっても、その世界を全く理解出来ないその他大勢には何のことを表現しているのか解らない。
そう言う表現が超絶難しいものなのである。
それをやってくれと言われても出来るかどうか、【芳一】は自信がなかったのだった。




