第二十六章42 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト3】42/第12班/【超謎の序列第0席】に逢いに行く08
自分がトップコスプレイヤーだと言うことを隠す【菜穂理/花謎】はコスプレイベントに出ていた。
カメラでの撮影を受けている彼女は、ある男性の存在に釘付けになった。
そう。
【虹助/芳一】である。
彼がコスプレイベントに来ていた。
かなり小さなイベントだったから来るわけないと思っていたのに彼は自分が目当てでやって来ていた。
その瞬間、涙が出そうになった。
彼が来ている。
彼に見られている。
彼に見られるのは何だか恥ずかしい。
でも、彼にずっと自分を見ていてもらいたい。
そんな乙女心が全開になっていた。
【菜穂理/花謎】は心が舞い踊り、
《どうしよう・・・
彼が来ている。
彼にアピールしなきゃ。
でも、彼が注目されてしまうかも知れない。
彼は目立つのが嫌いだから。
目立ったら帰ってしまうかも知れない。
そんなの嫌だ。
百万人に見られるよりも彼1人に見られて居たい。
ずっと2人で居たい。
百万人の応援なんて正直、いらない。
彼1人・・・
彼だけに認められればそれで良いのに、それを言う勇気が私にはない。
どうすれば良い?
どうすれば、彼に喜んで貰える?
どうすれば・・・》
と思っていた。
そんなときカメコ達が、
「目線、こっちに下さい」
「次のポーズお願いします」
「こっち向いてください」
「決めポーズしちゃってください」
などと言ってきた。
【菜穂理/花謎】は、
『あ、はい。
こうですか?』
と対応するが、気持ちは、【虹助/芳一】によっていてアンニュイな表情を浮かべる。
それがカメコ達には余計に受けて、
「色っぺぇ~」
「こっち向いてこっち」
「好きだ【レインちゃぁ~ん】」
「俺の嫁ぇ~」
などと興奮させていた。




