第二十六章36 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト3】36/第12班/【超謎の序列第0席】に逢いに行く02
【花謎】は、娘として【芳一】と逢いたがっていたが、それはそれとして、【超謎】の第0席としての仕事もしなくてはならない。
【超越】の第0席と【謎】の第0席がやった様に、彼女もまた【芳一】の願いを叶えるための課題を用意したのと、世界を閉じた時に【芳一】に作ってもらう【ファーブラ・フィクタイズム】に対しての注文をしていた。
彼女の注文は、【ファーブラ・フィクタイズム】の第1作である【クイドクアム・アケルウス(なんでも集合)】にはこれまで【芳一】が作って来た作品のネタをオマージュとして出して欲しいという事だった。
第2作から第7作までもそれぞれ注文を出すが、それは第1作が完結した後に第2作の注文を天啓として与え、第2作が完結した後に第3作の注文を天啓として与えると言う事にしたいとの事だった。
それは、1作1作に集中して作って欲しいという希望でもある。
また、7作全てにその作品独自の設定を複数入れて欲しいとの事だった。
【芳一】はそれを了承した。
【ファーブラ・フィクタイズム】についての注文は以上である。
課題についてだが、9613種類の【物語】の中から24作を選び、その中の【キャラクター】の役を【花謎】と共にやりきると言う事である。
【物語】の中の【キャラクター】になると言う事だが、それは、人間に例えれば【役者】/【俳優】をやるのと一緒である。
【芳一】は創作者として数多の【物語】を作ってきた。
だが、それは、【小説】であり、
【漫画】であり、
【アニメーション】であり、
【ゲーム】であり、
【設定】であった。
その中に、【演技】と言うのは全く入っていない。
例えば【小説】を作る上で、【芳一】は頭の中で演技をしているとも言える。
だが、頭で考えるのと実際に演じるのとは違う。
その違いが大きいのだ。
また、【キャラクター】になると言う事で【異能力】などの不思議な力やキャラクターの環境、設定などもその度に異なる。
そう言った事をそれぞれ演じ分けなければならない。
そう言う意味では【芳一】にとって初体験と言う事になるのだ。
【芳一】は、
「演じるのか・・・
出来るのかな、僕に・・・」
と少々不安を口にした。
課題としては適当に選んだ24作を演じきれば良いのだが、ただし、【花謎】が満足行く演技だと言うことが求められる。
つまり、ただ、24作やれば良いのではなく、【花謎】に良かったと思える作品選びや演技などが求められると言う事である。
【花謎】は、【芳一】との触れ合いを強く求めている。
つまり、【花謎】の演じる【キャラクター】と【芳一】が演じる【キャラクター】の絡みが【花謎】好みである事が求められると言うことである。
【芳一】は、
「じゃあ、【花謎ちゃん】、どれをやるか、一緒に選ぼうか」
と言った。
【花謎】は、
『うん。
パパちゃ、だぁ~い好き』
と歓喜した。




