第二十六章15 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト3】15/第10班/【超越の序列第0席】に逢いに行く15
【ウェアリス】の11巡の課題も終わり、【芳一】の11巡の番だ。
残り3枚となった【ウェアリスカード】の1枚を引く。
そこには、
【相手の前で人格を統合しなさい】
と書かれていた。
【芳一】は、
「え?
これって・・・」
とつぶやいた。
【ウェアリス】は、
『貴方は今、13体に分かれて行動しているから無理だと言いたいのでしょ?
そう言う意味じゃないわ。
13体に分かれて行動しているけど全て【主人格】として行動しているのでしょ。
だったら1つの身体に13人格全てを統合して出すことも可能だって事。
このままだったら、その【人格】の変化は隙になるわ。
【人格】によっては得手不得手があるでしょ。
【贄喰威】はそこをついて来るわ。
だから今の内に、全ての【人格】を統合させて、全ての力が1つの【人格】で出せる状態になりなさいって事。
じゃなければ、私も安心して貴方を【贄喰威】の様な俗物との争いに送り出せないわ。
だから、私に貴方を信じられる安心を頂戴。
それには【人格】の統合が1つの条件って訳。
私の立場で下々の争いに首を出す訳にはいかないの。
だから、貴方は死なないって言う保証を頂戴。
そう言う訳だから今すぐ統合なさい。
出来ない訳じゃない。
大事なのは出来ると信じる事。
それが出来れば難しい話じゃないわ。
全ての【人格】は貴方自身なの。
貴方が出来れば他の12体も同じ事が出来る。
貴方なら出来る。
少なくとも私は自信を持っているわ。
期待に応えなさい』
と言った。
【芳一】は、
「人格を1つに・・・」
とつぶやく。
【ウェアリス】が、
『そう、1つに・・・』
と言った。
【芳一】は、
『・・・で、出来た・・・』
と言った。
発音が神聖音(「」ではなく『』)になっている。
【ウェアリス】は、
『【神聖音】(『』)だけでなく、【人声音】(「」)にも戻せるはずよ。
やってみなさい』
と言った。
【芳一】は、
「・・・も、戻った・・・」
とつぶやいた。
【ウェアリス】は嬉しそうに、
『そう、やれば出来るじゃない。
おめでとう。
一皮剥けたわね』
と言って再び抱擁した。
今度のは祝福のハグだ。




