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ショッピングモール

私は自転車でちょっと遠出して、私の住む県で一番大きなショッピングモールに行きました。

レストランも、雑貨屋も、映画館も、服屋も、ゲームセンターも、このショッピングモールで全てまかなえてしまうほどの広さです。


普段はその便利さ故に人がごったがえし、私にとって長時間いられる場所ではありませんでした。


それが今や貸し切り状態なのですから、遊びたい放題、居放題です。


とりあえず、私は普段長蛇の列ができているドーナツ屋さんに向かうことにしました。


(前に友だちときた時は、遠慮して食べられなかったからなぁ)


注文してから店内で揚げる、出来立ての絶品だと聞きます。


店員さんはいませんでしたが、タッチパネルで注文し、カフェの席で待っていると、給仕ロボットが揚げたてのドーナツを運んできてくれました。


原理はわかりませんが、どうやらロボットを使ってつくれるものはこの世界では注文可能のようだということをすでに発見していた私は、これを狙ってドーナツ屋さんに来たのでした。


はぐ、と大きくほおばると中から大量の生クリームが出てきます。


「んん!?」


急いで手を添えようとするも時すでに遅く、クリームをぼたぼたと落として私の服にシミを作ってしまいました。


(あーあ、やっちゃったなぁ……)


癖で周りを見渡すと、もちろん誰もいません。


一人で本当に良かったと、心から思いました。



さて、こうなってしまっては服を着替えなくてはいけません。


もちろんこのショッピングモールにはいくつもの服屋さんが入っています。


私はお母さんが「こんな派手なもの、誰が着るんだろうね」と呟いていたお店の試着室にいました。


(これ、着てみたかったんだよね)


鏡に映った自分がにやにやと笑って、いくつもポーズをとってしまいます。

確かに奇抜な恰好ですが、着てみるとそこまで違和感を感じません。


とりあえず今日はこの服を着ることにしました。


服が新しくなると、それに合わせて靴や鞄を新調したくなるものです。

私は今度は靴屋さんに向かうことにしました。



ゲームセンターでのクレーンゲームに夢中になっていた私は、ふと流れるBGMが蛍の光になっていることに気づきました。ショッピングモールの時計を見ると、もう夜の8時を回ってしまっています。

疲れてしまったため、家には帰らず、このショッピングモールで休むことにしました。


2階のジムでシャワーを借り、服屋で拝借したパジャマに着替えます。

せっかくならと高級寝具コーナーに行き、ふっかふかの布団にくるまりました。


電気が消せないことがネックだなと思っていたら、ショッピングモールの閉店時間を超えると自動で電気が消えました。


ほほう、ありがたいことだな。と思いながら私はぐっすりと眠ってしまいました。

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