桜庭メル、初仕事に赴く
「皆さんこんにちは、異世界系ストリーマーの桜庭メルで~す」
ペスカトピアの門から少し離れた、静かな森の中で、メルは配信を開始した。
「今日は昨日予告した通り、メルの初めての狩猟者のお仕事を配信でお見せしようと思いま~す」
『待ってた』『メルちゃんこんにちは!!』『マジでその恰好で魔物と戦うつもりなんだ……』『本当に防具とかなくて大丈夫?』
昨夜の配信は記憶に新しく、未だメルが防具を身に着けていないことを心配する視聴者も多い。
「昨夜の配信でメルのことを心配してくれる視聴者さんが結構多かったので、メルあれから色々考えたんです」
『防具着るかどうかを?』
「いやどうやったらメルが防具着なくても視聴者さん達が安心できるかを」
『もうどう足掻いても防具着たくない人じゃん』『防具着たら死ぬんか?』
「そして考えた結果、メルが戦ってるところを視聴者さんに見てもらうのが、視聴者さんに安心してもらうには1番だって思いました。だから早速魔物を探して戦ってみようと思います!」
『展開が早い』『魔物を探すってどうやるの?』
「普通の狩猟者の人は、魔物を探す魔法を使うってズーロさんが言ってました。でもメルにはそんなものは使えないのでぇ……」
メルはそこで言葉を切ると、瞑想をするかのように瞼を閉じた。
『何してんの?』『寝るの?』『キス待ち?』『これは俺達もキスを返さなければ』『んっちゅ……』『きっしょ死ねよ』
コメント欄に書き込まれる視聴者達のコメントは、当然目を閉じているメルには見えない。
「……うん、分かりました」
10秒ほど経過したところで、メルは小さく頷きながら閉じていた瞼を開く。
「あっちの方、人間じゃない何かがいますね」
そう言ってメルは左手側の森の奥を指差した。
「何百メートルか先から、足が4本ある生き物が歩いてるような音が聞こえてきました」
『は?』『マジで言ってる?』『どんな聴力してるんだお前』
「メルって昔から結構耳がいいんですよ。まあ目の方がいいんですけど」
『数百メートル先の足音を聞き取る聴力よりも視力の方がいいんか……!?』『五感のスペックが高すぎる』
「それじゃあ早速行ってみますね~」
メルは軽い足取りで足音の聞こえた方向へと歩き出す。
「あっ、いましたいました」
少し歩いてメルが前方に発見したのは、深緑色の毛皮を持つ鹿に似た魔物だった。
鹿の魔物の体長は2mを若干上回る程度。メルに馴染みのある鹿よりも少し大きい。
『うわマジでいたよ』『4本足なのもちゃんと言い当ててる……』『耳良すぎるだろマジで』
「あれは確か……ディリジアっていう魔物だったかな?講習で習いました」
狩猟局に狩猟者として登録した際の講習で、メルは狩猟者が討伐する機会の特に多い数種類の魔物について教えられた。
その魔物の内の1体が、メルの視線の先で暢気に木の皮を食んでいるディリジアだ。
「ディリジアは基本穏やかな性格の魔物らしいんですけど、こっちが殺そうとしたら普通に反撃してくるそうです」
『まあそりゃそうだわな』
「でも未踏領域の中では1番倒しやすい魔物だって聞いたので、最初の相手にはちょうどいいかもですね」
メルは足音を殺して慎重にディリジアに近付いていく。
ディリジアの武器は頭部の枝角と後ろ足。前に立てば角で突かれ、後ろに立てば強烈な後ろ蹴りを食らう。
故にディリジアを狩る際は弓や魔法で遠距離から攻撃するのが最善、近付く場合は横から首を狙うのが次善、というのが講習で聞いた内容だった。
食事に夢中だったディリジアは、メルが5mほどの距離にまで近付いたところで敵の存在に気付いた。
ディリジアは即座に食事を中断し、闘牛のような勇ましい鳴き声を上げながらメルに突進してくる。
「あれ、穏やかな割に先制攻撃仕掛けてきましたね」
『気性の荒い個体なんじゃね?』『メルちゃん大丈夫!?』『危なくない……?』
ディリジアが振り回す枝角は鋭く頑丈だ。突進の勢いそのままに枝角が直撃すれば、防具を着ていないメルは重傷は避けられないだろう。
だが当たれば危険というのなら、当たらなければいいだけのことだ。
メルはスマホを空高く放り投げた。
「てやっ」
メルは跳躍し、ディリジアの突進を回避しながら、ディリジアの左右の枝角を両手で掴む。
そしてディリジアの角を掴んだまま、メルは空中で体を錐揉み状に回転させた。
メルの体の動きに合わせ、ディリジアの首が大きく捻られていく。
可動域を越えて捻られたディリジアの首から、程なくしてゴキッという破砕音が聞こえた。
「よし、と」
メルはディリジアの角から手を離し、軽やかに地面に着地。そのタイミングで落ちてきたスマホを見事にキャッチする。
首が明らかにおかしな方向に曲がったディリジアは、呻くような鳴き声を漏らしながらゆっくりとその場に倒れ込んだ。
「まずは1体目ですね~」
『もう倒した……』『一瞬で決着ついたじゃん』『なんか凄いアクロバティックな倒し方してなかった?』『鹿の死体ちょっとグロい』
「じゃあ殺した鹿仕舞っちゃいますね~」
メルは懐から貯蔵札を取り出し、ディリジアの死体にそっと触れさせる。
すると死体はにゅるんっとカードの中に吸い込まれていった。
『にゅるんって入るなぁ』『貯蔵札の挙動だけは魔法っぽい』『現状唯一の魔法要素』『メルの戦い方は魔法とは真逆だからなぁ』
「ところで皆さんどうでした?メル強かったでしょ?」
『メルちゃんすっごくカッコよかった!!』『まあ見事ではあった』『瞬殺だったな』
「メルに防具要らないって分かってもらえました?」
『それはまた話が違うっていうか……』『鹿が突進してきた時ちょっとヒヤッとしたし』
「え~?皆さん心配症ですね~……まあいいです。どうせ手持ちの貯蔵札がいっぱいになるまで魔物倒すつもりでしたから、皆さんに安心してもらえるまで戦いましょう」
メルは目を閉じて耳を澄まし、魔物の気配を探る。
「……あっちから魔物っぽい音が聞こえますね」
『魔物っぽい音……?』
聴覚によって魔物の存在を知覚したメルは、そちらの方角へと歩き出した。
『そういや魔物って名前なんだから魔法使ってくる奴とかいないの?』『確かに火吹く奴とかいそうなイメージ』
次なる魔物の下へ向かうメルに対して、コメント欄に質問が書き込まれる。
「火を吹く魔物もいるらしいですけど、この森では滅多に見ないそうです。この森の中をず~っと歩いて行くと岩場みたいな場所に出て、そういうところに行くと火の魔物とかに会えるんですって」
『なるほど』『言われてみれば森の中で火吹いたら危ないわな』『森林火災頻発しそう』
「この世界に来た時に最初に見たドラゴンとかも、森の向こうのエリアに住んでる魔物だそうです」
『そうなんだ』『いつか森の先にも行ってみてほしいな』
「遠出には色々道具も必要になのでまだまだ先にはなりますけど、いつかはドラゴンとかも見に行ってみたいですね~……あっいました」
話の途中でメルは前方に魔物の姿を発見し、メルは息を潜める。
発見したのは小さなウサギのような灰色の魔物で、メルの知るウサギよりも丸っこく可愛らしかった。
「あれは確か~……ラピチャンだったかな?」
『ラピちゃん?』『何それ可愛い』『あのウサギみたいなやつ?』
「可愛いですよね~。ラピチャンって名前の魔物らしいです。お肉が美味しくて毛皮が高級な服とかの材料になるそうなんですけど……ん~、あの子は見逃してあげよっかな」
『なんで?』『可愛いから?』『鹿は可愛くないから殺してウサギは可愛いから見逃すってのはちょっと良くないんじゃない?』
ラピチャンを見逃すというメルの判断に、ちらほらとコメント欄に批判的な意見が書き込まれる。
「ああ、違いますよ」
だがメルは「ウサギは可愛いから見逃すのか?」という旨のコメントを、ひらひらと手を振って否定する。
「ラピチャンはちっちゃいから、ディリジアとかと比べると売値が安いんです。貯蔵札はちっちゃい魔物でもおっきい魔物でも1体しか入らないので、どうせ殺して売るならおっきい魔物の方がいいかなって」
『現実的過ぎて草』『打算的に考えすぎてて怖い』『それならまだ「可愛くて殺せないですぅ~」とか言ってくれた方がよかったわ』
「って訳であの子は見送りましょう。バイバ~イ」
メルはラピチャンに向かって小さく手を振る。
ラピチャンはメルの存在に気付くと、大慌てでぴょんぴょんと飛び跳ねながら逃げ去っていった。
「さて。次はもうちょっとおっきい魔物を選んで探さなきゃですね~」
『選んで探すってどうやって?』『いくら耳がよくたって魔物の大きさまでは聞き分けられないだろ?』
「頑張れば聞き分けられますよ?」
『頑張れば聞き分けられるのかよ』
メルはこれまでよりも一層聴覚に意識を集中させ、森の中から聞こえてくる音を事細かに聞き分ける。
「……あっちの方に人間くらいの大きさの魔物が3体くらいいるみたいですね」
『ほんとにぃ?』『俺らが分からないと思って適当なこと言ってなぁい?』『メルちゃんがいるって言うなら絶対にいると思う!!』『ノルマで全肯定やってるのか?』
「疑うなら疑ってもいいですよ。後でメルを疑った自分を後悔しない自信があるのならね……」
『なんでそんな怖い言い方するの?』
不必要に悪役じみた笑顔を浮かべるメル。
「そう言えばさっき、火を吹く魔法の話したじゃないですか」
『したね』『森の中にはいないって話?』
「そうですそうです。火を吹く魔物は森にはいないんですけど、火以外の魔法を使う魔物は森の中にもいるんですよ」
『そうなん?』『魔法見た~い』
「見れると思いますよ~、メルの予想が合ってればですけど……あっ、いました!」
『どこ?』『早くね?』『どこどこ?』
「あそこです、あそこ!」
メルの指差す先には周囲よりも一回り大きな木が生えており、その木の枝には3匹の大きな猿らしき魔物の姿があった。
『あの猿みたいなやつ?』『チンパンジーに似てるけどチンパンジーよりデカいな』『人間くらいのサイズあるくね?』『マジでメルの言ってた通りじゃん……』
人間ほどの大きさの魔物が3体。メルの聴覚による索敵は、見事正解していたことになる。
「あの猿みたいな魔物はブラシオンっていうらしいです。さっき言った森の中にいる魔法を使う魔物の内の1種類が、あのブラシオンなんですよ」
『そうなんだ』『じゃあ魔法見れるかもじゃん』『てかブラシオンってなんか聞いたことある気がする』『一昨日メルが食べてた魔物の肉がそんな名前だったような……?』
「あっ、そうですそうです。よく覚えてましたね。一昨日の配信で夜ご飯に食べたサンドウィッチは、あのブラシオンのお肉が使われてたんですよ~」
『あれって猿の肉だったんだ……』『猿肉はゲテモノよりでは……?』
猿の肉を食べるというあまり馴染みのない食文化に、視聴者の何人かは戸惑いを見せていた。
「メルも最初に食べた時はブラシオンが何なのか知らなかったですから、後から猿だって聞いてちょっとビックリしました。でもペスカトピアだと高級食材なんですよ、ブラシオンのお肉。っていうか魔物のお肉全部が普通の家畜のお肉より高級なんですけど」
『ペスカトピアって畜産あるんだ……』『発展してるなぁペスカトピア』
視聴者と雑談をしながらも、メルは慎重にブラシオンのいる木へと近付いていく。
『そういやブラシオンは魔法使うって言ってたけど、どんな魔法使うの?』
「ふふっ、その内分かると思いますよ」
メルが勿体ぶった一言を言うのと同時に、樹上のブラシオン達がメルの存在に気付いた。
ブラシオン達は歯を剥き出しにしてキーキーと金切り声を上げながら、メルに向かって威嚇をするように両腕を振り上げる。
するとブラシオン達の手の中に、それまで無かったはずの野球ボールほどの大きさの石が出現した。
「あっ、皆さん、あれがブラシオンの魔法ですよ」
ブラシオン達が両手の石を一斉にメルへと投擲する。
3体のブラシオンがそれぞれ両手から1つずつ、計6個投擲された石を、メルはひらりひらりと危なげなく回避して見せた。
「ブラシオンは魔法で石を作って、それを木の上から投げて敵を攻撃するんです」
『え、地味……』『思ってた100倍くらい地味な魔法来た』『魔法で作った石を射出するとかならかなり魔法っぽかったのになんで投擲……』『石投げるなんて地球の猿にもできるじゃねぇか』
ブラシオンが披露した魔法は、視聴者達にはおおむね不評だった。
確かに何も無かったはずのブラシオンの手の中に、突然石が出現すること自体は不思議な現象だ。しかしそれを腕力で投擲するというのが絵面としてよくない。
更に言うと手の中に石を出現させるというのは、視覚的には手品の範疇である。
それらの要素が合わさった結果、ブラシオンの石を生み出す魔法は、視聴者達が「魔法」と聞いて想像するよりも遥かに面白みの無いものになってしまっていた。
「でもこの攻撃、結構危ないですよ。当たったら最低でも骨折しちゃうくらいの勢いはありますし」
『ひょいひょい避けながら言われても説得力ねぇよ』『どうやって避けてんの?』『すり抜けてる?』
ブラシオンが投擲する石の速度は、プロ野球のピッチャーが投げるボールよりも速い。
更にただでさえ速い石礫が、ほぼ同時に6個放たれるのだ。それらを全て回避するには常人離れした反射神経が要求される……のだが、メルは割と普通に避けていた。
なかなかメルに石が当たらず、ブラシオン達は苛立ちを露わにする。
「ブラシオンは敵と戦う時には木から降りてこないらしいので、弓矢か魔法が無いと戦いづらいらしいんですけど……」
『じゃあどうすんの?』
「ん~……向こうが石投げてくるなら、こっちも何か投げるしか無いですよね~」
メルがそう言って取り出したのは、一応の武器として購入したナイフだ。
「てやっ」
メルは石礫を躱しながら、ナイフをブラシオンに向けて投擲する。
ダーツの矢のように真っ直ぐ飛んでいったナイフは、メルから見て1番右のブラシオンの右目に深々と突き刺さった。
ブラシオンは断末魔を上げながら枝から転落し、地面に落ちて動かなくなる。
「よし1匹」
『モノ投げるのが上手すぎるだろ』『なんであんなデカいナイフ投げて正確に目に刺せるんだよ』
「メル昔からドッジボールやってたので、投げたり避けたりは得意なんですよ」
『どういう理屈?』『ボール投げるのとナイフ投げるのは話違うだろ』
仲間を1体殺されたことで、残る2体のブラシオンはより一層激昂している。
怒りのあまり我を忘れたのか、片方のブラシオンが木の枝から飛び降りてメルへと襲い掛かってきた。
「わ、結構速い」
猿のイメージに違わず、ブラシオンの動きは俊敏だった。
掴みかかってきたブラシオンを、メルは体捌きで受け流す。メルが背後へと回り込んだことで、ブラシオンは一瞬メルの姿を見失う。
その隙にメルはその場に屈み込み、足元に落ちていた木の枝を圧し折った。折れた枝の断面は鋭く尖っている。
そしてブラシオンがメルを振り返るのと同時に、メルはブラシオンの顔に目掛けて折れた木の枝を突き出した。
目にも留まらぬ速さで繰り出された木の枝は、ブラシオンの右目を正確無比に貫いた。
鋭利な木の枝の断面はブラシオンの眼窩を貫通し、頭の奥深くまで到達する。
ブラシオンは残った左目をぐるんと裏返しながら、ゆっくりと仰向けに倒れ込んだ。
「よしあと1匹」
『目を狙うのが上手すぎるだろ』『なんでそんなに目ばっか正確に攻撃できるん?』
「だって魔物の毛皮硬すぎて、目狙わないと殺せないんですもん」
『WHYじゃなくてHOWを訊いてるんだが???』『メルは当たり前みたいに「殺す」って言うからちょっと怖いんだよなぁ』『メルちゃん相手の弱点を突くのが上手くてすごい!!私もメルちゃんに弱点突かれたい!!』『どういう全肯定?』『エッチな話してる?』
2体の仲間を殺害され、残された最後のブラシオンの怒りは頂点に達していた。
目を見開き牙を剥き出しにし、般若のような表情となった最後のブラシオンは、更に苛烈に魔法の石を投擲する。
だが最後のブラシオンは怒りに身を任せきっていないのか、2体目とは違って樹上という場所のアドバンテージを捨てようとはしなかった。
「あの子も降りてきてくれるとありがたかったんですけど、そこまで上手くは行かないですね~」
ブラシオンが木から降りて来ないのであれば、メルの方も何かを投擲して攻撃する他ない。
だが唯一の武器であるナイフは未だに1体目のブラシオンの右目に突き刺さったままで、投擲される石礫を躱しながらナイフを回収するのは現実的ではない。
「仕方ない、ちょっとイチかバチかですけど……」
パシッ!と。
メルは飛んできた石礫の1つをキャッチする。
「いっ!?たぁ……」
キャッチと同時に体を回転させて石礫の勢いを可能な限り殺したが、それでも素手で約150km/hの石を受け止めるのには痛みが伴った。
メルの両目に薄らと涙が滲む。
『大丈夫?』『うわぁ手痛そ……』
「だ、大丈夫です!」
メルは視聴者に対して強がりながら、続いて飛んできた石礫をキャッチしたばかりの石で叩き落とす。
すると石礫を叩き落とすことには、代償として手の中の石はいくつかの破片に砕けてしまった。
だが石が砕けることは、メルの思惑通りだった。
メルは破片の中から直径1cmほどの大きさのものを選び、人差し指の側面に乗せる。
「てやっ!」
そしてその破片を、メルは親指で勢い良く弾き飛ばした。
親指で弾かれた石の破片は、ライフル弾のような速度で空中を突き進んでいく。
そして破片はブラシオンの左目に命中すると、眼窩を貫き頭蓋骨の内側を破壊した。
最後のブラシオンは力なく枝から落下し、そのままピクリとも動かなくなる。
「勝てましたね~。じゃあ早く仕舞っちゃいましょう」
『淡々としすぎだろ』『作業みたいに魔物殺すじゃん』『なんか指弾みたいなことしてなかった?』『指弾って何?』『石とかコインとか指で弾いて攻撃するやつ』
「あれはおばあちゃんに習ったんですよ~」
『孫に指弾教えるおばあちゃんって何???』『いないんだよそんな祖母は』『世界って広いんだなぁ……』
メルは倒した3体のブラシオンの死体を、次々と貯蔵札に収納していく。その際1体目のブラシオンの目に突き刺さったナイフもきちんと回収する。
「さて、残りの貯蔵札はあと6枚もあるので、まだまだ魔物倒していきますよ~!」
メルは次なる魔物を求めて、張り切って森を歩いた。
読んでいただいてありがとうございます
次回は明後日更新する予定です