↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
溺愛されても許しません!~転生したら宿敵がいた~  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【お茶会の後】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
67/81

65:なぜ……?

「人を苦しめる時には、二つの方法がある。一つは本人を苦しめる方法。もう一つはその本人が大切と思う者に手を下す。前者でことごとく失敗した。だから後者を選んだ。そしてそのターゲットが、愛弟子だった」


 師匠は、恋に落ちた眼差しがどうのと言っていたが。聖皇が初めてパートナーを伴い、王都へ来たのだ。同伴者の女性と共に、建国祭という公の場に立った。少なからず何かの縁がある女性だ。その相手を害すれば、聖皇が責任感を覚え、悲しむなんて、別にアナベルではなくても想像できる。


 自分が狙われると考え、もっと用心すべきだったと思う反面。


 アナベルの賢さは、間違った方法で活かされてしまったと思う。まさか自身の娘をだしに使うなんて。あの出会いが仕組まれたものなんて思えなかった。アナベルが捕らえられることになった場にはマヤもいた。彼女は今、どんな心境なのだろう……。


「子供に罪はないからな。第二王妃の愛娘であるマヤ。あの子は心底、愛弟子のことを心配していた。急に母親と引き離され、王宮の自身の部屋に閉じ込められているが、母親へ手紙を書き、そして――」


 師匠が魔法を唱えると、私の手元にリボンで結わかれた数枚の羊皮紙が現れた。


「これは……」と言いながら、ピンク色のリボンを解くと、そこにはクレヨンで描かれた二人の大人の女性とその間に子供がいる。アナベルとマヤと私……ということね。


「早く元気になって、三人でお茶をしたいと描いたそうだ」


 師匠の言葉に他の羊皮紙を開くと、そちらには美味しそうなケーキやクッキー、チョコレートが描かれている。私らしき女性を紙いっぱいに描いたものもあった。


 国王陛下との間に、こんなに可愛らしい娘だってもうけたのだ。王宮でも、確固たる地位を築くことだって、できていた。正妃ではなくても、第二王妃として。穏やかに生きることは……アナベルにはできなかったのかしら?


「子供に罪はない……ということですが、クロエはどうなるのですか?」


「同じ子供とはいえ、あちらは側妃の一人だからな。子供の扱いはされない。とはいえ、第二王妃に利用されていたことは、間違いない。建国王の霊廟で扉を封じた聖なる力は、クロエだった。モンスターから守るためだと第二王妃に言われ、聖なる力を使っていた。つまり騙されていたわけだ」


 アナベルのあの態度は、クロエからしたら母親のように感じられただろう。まだ幼くして他国の王宮へやってきて、どれだけ心細かったか。クロエがアナベルになつき、簡単に騙されてしまっても、仕方ないことだった。


 とはいえ、アナベルのクロエヘの要求は、エスカレートしている。死人も出ているのだ。いくらなんでもこの異常事態を、国王陛下に相談しなかったのは、なぜだろう……?


「クロエ妃殿下は、最初は騙されていたわけですよね。でもアナベルの要求は常軌を逸しています。何か弱みを握られていたのでしょうか……?」


「そうだな。それを聞き出すには骨が折れた。相手はまだ子供だし、下手な魔法を使いたくない。そうしたら思いがけないところから情報が舞い込んだ」


 師匠はニヤリと笑い「誰だと思う?」と尋ねるが、まったく見当がつかない。正直に「分かりません」と答えると「リアス王太子だ」と師匠は言うと、レモン水をごくごくと飲む。私もレモン水を飲みながら考える。


 え、王太子……?と。


 ライト副団長が、師匠と共に動いてくれたことは、分かっていた。でも王太子が直接的に関わってくるのは、全く予想していなかった。


「クロエと王太子は、年齢も近い。舞踏会や晩餐会、国の行事で顔を合わせることも多かった。そこで二人は仲を深めていた。王太子は婚約者もいる。よってクロエのことは、友達とでも思っているだろうが……クロエの方は違うだろうな。その気持ちは友達以上、つまりは好意を感じている。二人の仲がいいことに気づいた第二王妃は、王太子の名を出し、クロエを脅していたようなんだ」


 クロエがアナベルを恐れ、怯えていることに、王太子は気が付いた。でも自分の母親である王妃と第二王妃は、とても仲がいい。第二王妃がクロエに対し何かしているとしても、それを指摘するのは難しい。


 でも今回、事件が起きた。母親である王妃は、第二王妃が白状した話を聞き、ショックを受けている。父親である国王陛下には、クロエのことだけに、相談しにくい。そこで王太子は、ライト副団長に話をした。


 お茶会毒クッキー事件の捜査に、ライト副団長が携わっていることを知っていたからだ。ライト副団長はそれを突破口に、クロエに話を聞くことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。