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余命100ありがとう  作者: Q輔
第一章「余命宣告」
6/46

ありがとう 6

 感謝をするなってば、自分!


 いちいち感謝をしていては、命がいくつあっても足りないぞ! 

 

 次のお客は、若いヤンキーカップルだ。見たところ僕より年下だろう。


 イチャイチャと身を寄せ合って店内を回り、ペットボトル2本を持って、僕のいるレジにやって来た。


「お兄さ~ん、肉まん二つちょうだい」


「やだ~、アタシ、ピザまんがいい~。お兄さん、肉まん一つ、ピザまん一つに変更ね~」


 ふん、未成年が、深夜まで遊び回って小腹が空いたか。親御さんは、きっと心配しているぞ。さっさと家に帰りやがれ。


 て言うか、こいつは命拾いしたぞ。この親不孝なカップルに対して、僕は自然と感謝の念が湧いてこない。こいつらなら、無言で商品をバーコードで読み取り、無言で見送ることが出来そうだ。


 僕は、無愛想に、肉まんとピザまんを袋に入れ、不愛想に精算を済ませる。


 よし、帰れ。愛想の無い店員で誠に申し訳ないが、でも、どうかそのまま帰ってくれ。


 去り際に、ヤンキーカップルが僕に言う。


「お兄さん、夜遅くまでお仕事大変ですね」


「このコンビニのピザまん大好き。また来るね。がんばってね」


「ありがとうございましたー!」



……余命、あと94回。

 


 

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― 新着の感想 ―
[一言]  もう、このまま。  感謝の念を抱いて大往生してほしいと思います。
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