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余命100ありがとう  作者: Q輔
第五章「結婚」
46/46

ありがとう 46


 教授への挨拶を終えた僕たちは、ちょうどお昼時だったこともあり、退学記念に最後の学食を食べようと、ぶらりと食堂棟へ立ち寄った。


「おい、ケンイチ! 大学辞めるってホントかよ!」


「ルミちゃん、マジで、辞めちゃうの?」


 すると、食堂にいた友達に、瞬く間に取り囲まれてしまった。


「僕たち、結婚をするんだ」


「私、お腹に赤ちゃんが出来たの」


 僕とルミの爆弾発言に、食堂が一気にどよめいた。


「おめでとう! 結婚式、呼べよ! 行くぜ!」


「赤ちゃんが生まれたら、絶対に抱かせてね!」


「おい、大学辞めても、たまには連絡をよこせよ!」


「ケンイチ、ルミちゃん、俺たち、ずっと友達だからな!」


 学生時代の友人関係が、大人になっても同じように続くなんて、青臭い幻想は抱いていない。大学中退をして社会に出る者と、勉学を続ける学生との関係なら、否が応でも薄れていくことだろう。僕だって、それぐらいのニヒリズムは持ち合わせている。


 でも、この時、瞬間の、僕たちの言葉は真実だ。


 僕たちは、今この瞬間、永遠の中にいる。



「うん。いつまでも友達だよ。みんな、ありがとう」


 


……余命、あと54回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  私、学生の頃から友達いないので検証不可です(笑)  大事にできたらいいですね。  でも、縁が切れるよりも早く、残り回数使い切ってしまいそう。
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