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余命100ありがとう  作者: Q輔
第五章「結婚」
45/46

ありがとう 45

 僕たちは、周囲の人たちの承認を得ながら、着実に二人の未来に向かって歩み始めている。


 そして僕は、ひっそりと、こっそりと、しずしずと、死に向かって歩み続けてる。


 ルミのご両親に結婚の許しを得た翌日、僕たちは、大学へ行き、退学の手続きを終える。


 それから、二人が共通して特にお世話になった教授に挨拶をした。


「……そうか。二人とも優秀な学生だったから、大学を辞めてしまうのは、とても残念ですね。でも君たちが決めたことだからね。頑張って下さいね」


「本当は、先生のもとで、もっと勉強したかったです」


「私も同じです」


 僕とルミは、正直な気持ちを教授に伝えた。


「ケンイチくん。ルミさん。学問は、学校でなくても出来ますよ。図書館行けば、たくさんの本があります。そこで本を読みましょう。社会に出れば、たくさんの人に出逢います。その人たちから学びましょう。社会人の毎日は、一見してありふれた陳腐なものですが、実はその一日ごとに、必ず特別な気付きや発見があります。それを見逃さず、しっかりと捕まえましょう」


 教授は、そう言って、僕とルミの手を握った。


 二人並んで、頭を下げる。


 鼻っ柱が、つーんと痛い。


「先生、お世話になりました。今日まで、ありがとうございます」



 

……余命、あと55回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  いい先生ですね。  はっ! ひとは生きてくうえで、いろんなひとに感謝すべきで「ありがとう」がいくらあっても足りないという、深いテーマだったのでは???  まだ、前半戦ですけど、テーマまと…
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