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余命100ありがとう  作者: Q輔
第五章「結婚」
42/46

ありがとう 42

「――お義父さん、今なんと?」


「うちの娘と結婚がしたのだろう? そっか、そっか、そ~なんだ~。こうなってしまった以上、しゃ~ないもんね。ルミ、ケンイチくん、了解だよ」


「パパ、ありがとう!」


 ルミが、ベットに横たわるお義父さんに、抱きついて離れない。悪寒が走るほどあっさり承諾するので、僕はいよいよ椅子からずり落ちた。


「ルミ、お前は二十歳。もう大人だ。自分でよく考えて、好きに生きて行け」


「パパ、どうしちゃったの? なんだ物分かりが良すぎて、気持ちが悪いわ」


 ルミも、さすがに不審に思い始めた。


「……実はね、パパは不治の病なの」


「え!」


「おいおい、ママ、今それ言っちゃうかね~」


 お義母さんの告白で、和やかだった病室の空気が一瞬で凍り付く。


「よろしければ、病名を教えていただけますか?」


 なんだか嫌な予感がした僕は、恐る恐るルミの両親に尋ねた。すると、お義父さんが、大きな深呼吸の後、ゆっくりと話し始める。


「ルミ、よくお聞き。パパは、感謝病かんしゃびょうという難病を患っている」


……やっぱり。僕と同じ病気だ。


「包み隠さずに言う。パパは、あと3回「ありがとう」と言ったら死ぬ」


……3回って。末期も末期。もう救いようのない末期だ。


「いやよ、パパ! 私、そんなこと信じない!」


 突然の報告に、ルミが、ベッドに突っ伏し、咽び泣く。


「ケンイチくん。私は、もう長くない。ルミのことを頼む。なんだろうな、今日出逢ったばかりだが、君なら、きっとルミを幸せにしてくれるような気がする」


「お義父さん、ありがとうございます」



 ……余命、あと58回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  すごいペースで、パパに追いついている気がするんですけど!  その差55回!  どちらが先かまだわからない???
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