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余命100ありがとう  作者: Q輔
第一章「余命宣告」
4/46

ありがとう 4

 病院を出た。


 駐輪場で乗って来たバイクに跨り、ヘルメットを被りかけて、


「そうだ。ルミに電話をしなくちゃ」


 と、大事なことを思い出し、バイクに跨ったまま、スマートフォンで恋人のルミに電話をかける。


 ここのところずっと具合の悪い僕のことを心配して、病院で診てもらうことを勧めてくれたのはルミなのだ。一応診察の結果は報告しておかなくては。

 

『どうだった?」


 開口一番。


「病気なの? なんの病気なの?」


 間髪入れず、ルミは矢継ぎ早に質問攻めをする。


 正直に言え、自分。


 診察の結果、僕は不治の病、感謝病かんしゃびょうだと告げられた。


 先生に「あと100回ありがとうと言ったら死ぬ」と余命宣告をされた。


 さらには、あろうことか、その場で三回も「ありがとう」を連発してしまった。


 ここは、そう正直に言うべきだぞ、自分。


『ねえ、何で黙っているのよ! 聞こえてる? 電波が悪いの? 私は、結果がどうだったのか聞いているの!』


 なかなか話し出さない僕に対し、ルミがイライラしている。


「……ただの風邪だって」


 ああ、僕の馬鹿。


『風邪?』


「先生は、薬を飲んで安静にしていれば、すぐに治るってさ。深夜のコンビニのアルバイトが続いていたから、体調を崩したのかもしれない」


『良かったあああ! 滅茶苦茶心配したじゃん! 最近のケンイチ、明らかに元気無かったもん!」


「ルミ、心配かけてごめんね」


『とにかく、体だけは大事にしてよね! 私、ケンイチに何かあったら生きていけません!」


「了解だよ。ありがとうね。……あ」



……余命、あと96回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  そんだけ感謝して生きられるのは、幸せだと思えてきました。
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