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余命100ありがとう  作者: Q輔
第四章「妊娠」
35/46

ありがとう 35

「では、最後の問題――」


「え? まだ議題がありますか?」


「さて、どっちを先に行くべきか」


 ルミが腕を組んで考え込んでいる。


「どっちとは?」


 僕は、話の意図を掴みかねた。


「お互いの両親への報告よ」


 僕は、否が応でも、話の意図を理解した。


「……報告なんてしなくても、なんとな~く過ぎて行かないかな。過ぎてくれるといいなあ。きっと過ぎてくれるさ」


「ケンイチ、現実逃避なしね! 大学中退! 結婚! 妊娠! 親に黙っているわけにはいかないでしょうが!」


「それもそうだね。じゃあ、ルミの両親への報告を先に済まそうかな」


「ちなみに、私のパパ、空手の道場の師範代よ」


「……マジ?」


「うん、冗談抜きで、ケンイチ、ふつーに半殺しにされるわよ」


「……そいう事なら、うちの両親に先に会っておこうかな。二度と会えないなんて事態が無きにしも非ず」


「どうやら、そのほうがよさそうね。脅すわけじゃないけど、私、パパにめちゃくちゃ溺愛されているからね。愛娘まなむすめが、どこぞの馬の骨と一緒に帰ってきて、大学中退、結婚、妊娠、を申し出るのよ。ケンイチ、せいぜい覚悟してね」


「……生きて帰れるかなあ」


「心配しないで。私が全力で守ってあげるから」


「まじで、ありがと」



……余命、あと65回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  来た(笑)  わたしのパパは、道場もってるってやつ。  絶対、ママの尻にひかれてるやつだ。
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