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余命100ありがとう  作者: Q輔
第四章「妊娠」
32/46

ありがとう 32

 僕たちは、僕のアパートに帰った。


 ルミが、どこかしらお腹を庇うように、テーブルの椅子に腰をかける。外見上に何の変化も見られないが、彼女はあれで妊娠三ヵ月の身重みおもなのだ。


 台所で、病院でもらった薬を、ルミにバレないようにこっそりと服用する。これを飲むと、吐血が抑えられ、倦怠感も幾分か和らぐ。


「ルミ、どうする?」


「どうするって、何が?」


「何がって、赤ちゃんだよ。僕たちまだ学生だぜ?」


「て言うか、できちゃったことはフライングだけど、それ以外の問題は、順を追って解決して行きましょうよ」


「順を追ってとは?」


「そもそも、私たちって、結婚をするのかな?」


「そりゃあ、こうなった以上、せざる得ないだろうね」


「なーそのしぶしぶ感! まったくもう、それならそれで、やるべきことがあるでようが!」


「やるべきこと?」


「……あの~、私、プロポーズされていませんけど?」


「ああ、ああ、ああ、なるほど、そうだね、では、あらためまして――」


 僕は、襟を正し、彼女の目を真っすぐに見て言った。


「ルミ、僕と結婚をして下さい。よろしくお願いします」


「了解しました。こちらこそ、よろしくお願いします」


「ありがとう!」



……余命、あと68回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  100回、プロポーズうけてもらえたら死んじゃいますね(笑)  なんか、昔のドラマでそんなタイトルあるらしいです。名シーン集とかの特番で、見たことあります。
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