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余命100ありがとう  作者: Q輔
第三章「ボーダーライン」
27/46

ありがとう 27

 僕とルミは、喫茶店で逢った。


「いらっしゃいませ~。ご注文は?」


 喫茶店のやる気のない店員さんが、気怠そうにオーダーを聞きに来る。


「アイスコーヒーふたつ。ひとつは、ガムシロップ抜いて下さい」


 ルミが、付き合っていた頃のように、甘いのが苦手な僕の分も一緒にオーダーをしてくれる。しばらくの気まずい沈黙の後、僕はゆっくりと話はじめた。


「ふた月ぶりだね。ルミ、元気だったかい?」


「元気よ。ケンイチは? 体の調子はどう?」


「まあ、少しは良くなった感じ……かな」


 また、長い沈黙。


「……で、今日は何の用?」


「ルミ、今更どのツラ下げてって感じだけど、僕たち……」


「……」


 長い沈黙。


「あの、その、ルミ、僕たち……」


「……なんなのよ。ハッキリ言いなさいよ」


「ルミ、僕たち、やり直――」


「お待たせしました~。アイスコーヒーふたつ、お持ちしました~」


 あ~、もうっ。この店員ときたら、今まさに決定的な言葉を言おうって時にっ。


「ガムシロ抜きは、どちらですか?」


「はい、僕です」


 店員が、二つのアイスコーヒーをテーブルに置く。


「ごゆっくりどうぞ」


「ありがとう」




……余命、あと73回。

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― 新着の感想 ―
[一言]  前振りですらない。  前置きで、一回消費(汗)
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