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転生モブ令嬢の幼なじみはヒロインを御所望中  作者: いちご
本編・花祭り編レン視点(表記なしレン視点・その他視点名前入りであり)
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カサヴァーノ侯爵家について

彼女に連れられ、カサヴァーノ家の皆さんが集まる中庭に面したサロンに通され、家族の紹介を受ける。

カサヴァーノ侯爵家は長男、次男、三男、長女、4人兄弟で、僕の婚約者のアルメリア嬢はただ1人の女の兄弟だという。

男兄弟に囲まれていることもあってか、元気で活発な令嬢のようだが、末姫はみんなに愛され大切にされていることが会話の中から感じられた。


やっぱり彼女は苦手だなぁと表情には出さずに思っていると、そんな僕のことを長男のノア殿が何か探るような目でじっと見ていて驚く。


(気づかれたか?)


でもすぐにそんなわけないかと、考えることをやめる。

なんと言っても、僕の無表情には定評があるのだから。


しかしこの時ノア兄さんの中では、僕は胡散臭い奴として認定されたようで、その後アルメリア嬢との交際の最大の障害になっていくのだが、この時の僕には全く分かっていなかった。


家族の紹介後、アルメリア嬢に案内されて屋敷の中や庭園、温室などを案内された。

城よりもこじんまりとしているが、さすが筆頭公爵家といったところだろうか。

一通り案内が終わり、僕の滞在する部屋の前まで案内してもらい、疲れたから今夜の食事会は辞退させてもらうことを告げる。

するとアルメリア嬢は心から心配してくれていることがわかり、侍医の手配までされそうだったので丁寧にお断りをし部屋の中に入る。


ここは僕の知る世界とはあまりにも違いすぎる。

1人になりたかったこともあったが、疲れたことも本当のことだ。

入室してまっすぐ進んだベットに服のまま寝転がり大きな深呼吸をする。

天井の模様とランプが目に入り、これから一週間ここで暮らすのかと思うと、気が重くなってきた。

婚約者のアルメリア嬢は笑顔が可愛らしいと感じ、見ていて楽しそうだと思ったが、その他には特に何も感じることができなかった。

また、カサヴァーノ侯爵家は家族が多くとても賑やかで、僕が今まで育ってきた環境とは違うことがよく分かった。

こんな僕とアルメリア嬢が合うわけはないのだが・・・

婚約は王命。

僕にただ1人の人が現れない限り、彼女と僕は婚姻を結ばなければいけない。


あの人に会いたい。


夢でいいから、とてもあの人に会いたいと心から思いそっと瞳を閉じた。

あけましておめでとうございます。


バタバタとした年の暮れ。

気がつくと更新が一ヶ月近く滞っていました。

これは大変!と短いですが、久しぶりにUPすることができました。

今年はあまり溜めすぎず更新していきたいと思っています。


今年もよろしくお願いします。

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