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プロローグ
自分より小さな体が宙に浮く。
手を伸ばすけど届かない。
あの子に伸ばした自分の手が目に入る。
ダメだ、こんな小さな手じゃ守ることもできない。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
やっとそばにいることが楽しいと、これからも一緒にいたいと思えるようになったのに。
また失うの・・・また?!
力が欲しい。
あの子を守るための、護る力を。
今度こそ失わずに護れる力が欲しい。
体の内側から金色の力を感じる。
見えないくらいの微々たる金の光は地面に叩きつけられる前に、あの子の体をほんの少しだけだけど守るように包み込んでくれた。
ほんの少しだけど、守ることができたのだろうか。
なによりも誰よりも、大切な大切な
・・・りあ




