王太子婚約者令嬢は忙しいらしい
レンが落ち着いてから会場に戻り、人に囲まれダンスをしてを繰り返し、無事に舞踏会を終えることができた。
お付き合い程度飲み物は飲んだけど、何も食べられなかったからお腹が空いた〜
部屋に戻るとミーナが軽く摘めるようなサンドイッチやピックに刺さったチーズやハムや野菜、大好きなイチゴのデザートを用意してくれていた。
汚したら大変なので、ドレスを脱いでゆったりとした部屋着に着替えてからゆっくり食べる。
美味しい!!
私の好きなものを少量ずつ用意してくれているミーナ、流石です!!
レンも何か食べてるかなとモグモグ食べながら思う。
私の様子を見ていたミーナが苦笑し、トリニティとラーシアは二人とも可愛いと笑う。
はて?何か可愛いものでもあったかしら?とキョロキョロする私に、お嬢様が小動物のようで可愛らしいんですよとミーナに言われてしまう。
うっ!そんなに頬張っていたかしら?!私はリスか何か?
両手で頬を押さえてしまう。
「ほら、そういうのが小動物なんです」
と、またまた苦笑されてしまう。
気をつけます・・・
「でも大丈夫ですよ。お嬢様は公式の場ではちゃんと淑女の振る舞いができておりますから、気心知れた人の前では素のままの姿を見せてくださいませ」
それに殿下もその方が嬉しいでしょうからと続く。
公の場では王太子婚約者令嬢としての仮面を被らなければいけないけど、アルメリアの時はいつも通りでいいのだ。
当たり前のことだけど、そう言ってもらえてなんだか安心する。
「ありがとう、ミーナ」
さあ!明日からは花祭りを楽しもう!!と言うと、ミーナがキョトンとしてあと二日は最低でも解放されないと言われる。
「な、なんで!!」
「明日はお嬢様は王妃様主催のお茶会に参加。殿下は昨年同様、謁見に陛下の補佐としてそばにつかれます。明後日は王城の大庭園で各国の使者様をお招きし、花祭りの立食パーティーに殿下と一緒に参加していただきます。明明後日は使者様からお声がかかれば、ご歓談予定となっています」
「わ、私もレン並のスケジュールになるのね」
「もちろんです」
城下に下りて花祭りを楽しみたいのに、今年は行けるのかな?!
シュンとしてしまった私に、最終日には時間が取れそうなことを教えてくれる。
フレイアとも一緒に楽しむ約束をしていたので、時間が取れるならよかった、、
フレイアにも知らせておかないと!!




