やりすぎた感を感じます
神殿内は小さな光の粒がふわふわ待っていて、触れると弾けるように消えてしまう。
私たちから溢れる光は無くなったが、擦り寄ってくるように光の粒が周りを囲むように寄ってくる。
私の差し出した手の指のまわりを楽しそうに飛び回る金と銀の光の粒。
(ふふふ、可愛い!)
その可愛さに思わず笑ってしまいレンを見ると、そんな私を見てレンが優しく微笑んでくれた。
「ワー!!ファーレン殿下!」
そんな私たちを見て参列者たちから歓声が上がり、思わず驚いて一歩後ろに下がってしまう。
な、なに?!
驚く私と、やばいやってしまったと呟き額を抑えるレン、大喜びのフィー様と苦笑しているコウ様。
え!やりすぎちゃった!!のかな?
レンに手を引かれ両陛下の後ろに下がるが、しばらく歓声は止まなかった。
神殿の中にいる私たちには分からなかったが、外でも大歓声が起き、神殿内と同じように光の粒が風にのって舞っていたそうで花祭りを大いに盛り上げたという。
式典が終わり控室に戻る私たちの周りを取り囲むように、式典に参列していた貴族の方々が集まってしまう。
先ほどのは何か?光の粒は?殿下のお力ですか?
など、詰め寄ろうとする人々との間に近衛騎士団の方々が立ち、道を作ってくれたことでその場を離れることができた。
私たちは両陛下の控室に連れて行かれ、ソファに座るよう勧められる。
私たちの前に両陛下が座り、その後ろには私の両親が立ちこちらを見ていた。
「さて、先ほどのは何があったのか説明をしてもらえるかな」
陛下はまっすぐな目でレンを見つめ、問いかける。
レンはその目を見つめ返し返答に困った表情をしながらも、伝えられることを話し出す。
「お気づきの通り、あれは俺たちの魔力です。でも、俺たちだけではあんな力は出せません。今日は花祭りなので、神が顕現し力を分けてくださったのではないでしょうか」
そうだよね、まさか神がそこにいます、とは言えないもんね。
実際私たちの座るソファの脇には神様が立っていて楽しそうにことの成り行きを見守っている。
「・・・そういうことにしておいてやろう。しかし、これから大変だぞ。今回の式典に出ていた各国の要人が国に帰って何を言うか分からない。でも、あんな光を纏っていたお前たちを見たものは、神の生まれ変わり、再来ともてはやす事は間違いないだろう」
「そうなるでしょうね」
「守れるのか?!」
陛下は私の方を見てから、レンに問いかけた。
「言われなくても。一生守ります」
陛下は「はぁ」と大きなため息をつく。
「予定通りこの後は花祭りの舞踏会を行う。ファーレンとアルメリアも支度をして参加するように」
「はい」
話が終わり、二人で部屋を出て王城に戻る馬車の元に向かうのだった。




