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転生モブ令嬢の幼なじみはヒロインを御所望中  作者: いちご
花祭りと婚約と(17歳編)
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花祭りの準備が始まった

王城に戻ってから、レンとは毎日朝ごはんを一緒に食べるようにしている。

学園に行く時は一緒だが、レンがいないことも増えてきているので、一日一回は顔を合わせられるようにとレンが決めた。

視察などで出かけている時以外は一緒なのが嬉しい。

今朝も一緒に朝ごはんをいただいている。


「今日の予定はどうなってるの?」


「今日は学園の授業が午前中だけだから、学園のカフェでメアリンとランチをしてから帰城予定。帰って来て花祭りの衣装の最終打ち合せをするくらいかな?!レンは?」


「俺も同じような感じ。昼は生徒会で済ますから一緒に帰ってこようね。その後は陛下と花祭りの警備についての概要を聞いてから俺も衣装合わせ。今年は今までと雰囲気がずいぶん変わるから、リアのが楽しみ!!」


花祭りまであとひと月となり、街中はお祭り前の活気に満ちてきた。

学園から帰る馬車の中からレンと二人で楽しみだね!と外を覗き見る。

各国の要人を迎える準備で王城の飾り付けなど、慌ただしい雰囲気になってきた。

今日はこれから衣装の最終打ち合わせがある。

上着は膝丈くらいのワンピース風になっている。

袖が透けている生地で金糸で蔦と花の刺繍が腕に沿ってされている。

このワンピース風だけど、なんとスリットが腿まで入った細身の作りになっていて、下にスカートを履くのだ。

スカートはフワッと広がるよう軽い素材でできているのだが、問題は透ける素材の生地で、足が透けているのがちょっと恥ずかしい。

スリット部分は銀糸と金糸で蔦の刺繍が入っていて際どく隠すようになっているが、これはアリ?なの??


「これ、恥ずかしくないですか?!昨年の天使様は清楚なイメージの細身のマーメイドラインでしたよね」


「アルメリアちゃんの細くて綺麗な足を見せたかったの!透け感が今までより色っぽいでしょ!!この白い衣装も一回限りだから、アルメリアちゃんの生足を惜しげもなく出してもらって、ファー君の機嫌が悪くなるところを是非見ておきたいしね」


それが狙いですか?!

膝上丈の衣装でいい顔しないんだから、この透け感は怒るよな〜と思う。

大丈夫!大丈夫!!と言ってにこにこ顔の王妃様。

レンも怒ったとしても王妃様には逆らえないんだよね。仕方ないか。

腰が相変わらず細いわよね、羨ましいなど言われ、もう少し詰めたほうがいいか?など、デザイナーさんと王妃様が相談されている。

そして驚きのことを二人が言い始めた。


「これにダイヤをつけてキラキラをプラスすると可愛いわよね」


言われて恐れ慄く!総額いくらになるの?!着るのが怖い・・・

ブルブル震える私に、クズダイヤの使い道なんてこんなもん、婚礼衣装はもっとすごいから覚悟してねと、にっこり怖いことを言われた。

王族コワイ。

来週に控えたリハーサルの時には、似たようなスカートで丈の長い普段着と当日履く靴で階段の登り方などを確認しておくよう鍵を刺された。

そういえば大神殿の階段登って上行ったことないや。

ご忠告ありがとうございます。


打ち合わせが終わり自分の部屋に戻ると、お疲れ様でしたとミーナがお茶を淹れてくれる。

ウタに負けないくらいの腕前で、簡単に摘めるお菓子も用意してくれた。

お城に戻ってからこの時間のティータイムは一人では寂しいからとミーナを誘い、暇な時はジンさんにも声をかけ3人でお茶を楽しみ、会話も弾むようになってきた。

学園でのことやミーナの今までの諜報の話など話題は絶えない。

 今までこの時間にレンが来ることはなかったのだが、今日は衣装合わせの後に部屋に寄って行ったことで、私たちのお茶会がバレてしまう。


「何みんなで楽しそうにしているの」


「レン!今日はもうお仕事おしまい?」


ミーナがレンの分を私の隣に用意してくれ、4人でお茶を飲む。


「こうやって毎日楽しんでいるの?!」


「時間と予定があったらね」


へーいいなぁ、俺はリアに朝しか会えない時もあるのに羨ましい!と、ジンさんを睨みながら拗ねている。

そう拗ねているのだ。

この頃、年齢なみかそれ以下の子供っぽいところを見せるようになってきた。

可愛い〜なぁ!と笑みを浮かべてしまった。


拗ねたような表情だったが、ミーナの紅茶を初めて飲んだレンは驚いたように美味しい!と呟き機嫌が少し良くなる。

美味しいよね!私もなんだか嬉しくなってしまうが、ミーナが謙遜するのでもっと自信を持ってほしいと思う。


「あのさぁリア、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


「衣装については王妃様に絶対に話さないと約束をしているので無理ですよ」


「うぅ・・・なんか透ける素材とか使ってないよね」


「う、うーん・・・どうかな」


「使ってるんだ」


がっくりと言葉がつきそうなほど項垂れる。

母上だからやるとは思っていたけど、どこに使っているだ?今更変えられないし、などブツブツ言っている。

自分の衣装にもあれと同じのが使われていたから、私の衣装も心配になったのだろう。

もうお互い諦めよう、レン。

当日怒らないでね。


来週末あたりからは他国の要人が来国し始め、王城も街もますます賑やかになっていくだろう。

花祭りに向けた最終準備が始まる。

昨年は色々あった花祭り。

今年は何事もなく、みんなで楽しめるお祭りにしたいなぁと願いを込めた、


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