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勉強は大変?!でも推しに癒されてます

5歳でもさすが公爵家。

王族並みに学ばなければいけないらしい。


1ヶ月ほどは、体のことを考慮してか、学びの時間が短かった。

まだ内容は幼い子供に合わせ、簡単な計算や正しく美しい言葉の習得、読み書き、などと一緒に社交界でのマナー、所作、ダンスなど5歳にここまでやらすのか?!と思うほど。

ただ、こちらでも誉めて伸ばす教育方針が主流なのか、どの先生方も優しく褒め、出来ないところは丁寧に教えてくれる。

前世の私は勉強が嫌いではなかったので、また勉強ができる楽しさを味わい、中々の優等生だと自負している。

しかし、ただひとつリンデル公爵夫人のマナー講座だけは苦手だった。

リンデル公爵夫人は、王妃様付きの侍女長をされていた方で結婚を機に現役を退かれ、今は私にマナーや所作を教えて下さっている。


「本日もご足労頂きありがとうございます、リンデル公爵夫人。本日もよろしくお願い致します」


「ごきげんよう、アルメリア様。カーテシーが美しくなってまいりましたね。あともう少し膝を折ると、もっと美しくなられますわ」


「はい、ありがとうございます」


など、一応褒めてくださるがまだまだダメダメね!と、必ず釘をさされてしまう。

今日は邸内での歩き方やお庭の散策時の美しい立ち振る舞いについて教えて頂く。

家の中くらい好きにさせてほしい!と思うが、学校や社交界など、公の場での美しい立ち振る舞いが必要なのだと分かっているので、この時間だけは大人しくしている。

でも、これが辛い。

前世に体験したことない習わしや動きが、中々身に付かず自分でも歯痒く感じている。

お母様は、『少しずつで大丈夫ですよ』と優しく微笑まれるが、そのひとつひとつの動作の美しさ!さすが元プリンセスと思わずにはいられない。

最高のお手本と、最高の指導者を前に、今日も惨敗だった。

玄関でリンデル公爵夫人をお見送りしながら、自分の不甲斐なさを反省していると、ノア兄様が学園からお戻りになられた。


「ノア兄様、おかえりなさい」


「ただいま、アルメリア」


ひらりと馬から降りられるその美しさ。

あぁ、ここにも美しい立ち振る舞いができる人がいた‥‥と、気持ちが沈んでいると、ふわっと優しくノア兄様が抱き抱えて歩き出す。


「どうしたんだい、僕の可愛いお姫様」


「アメリーはお母様やリンデル公爵夫人のように、どうして綺麗に美しく出来ないのでしょう。ノア兄様もとっても綺麗にできるのに」


少し不貞腐れたように言う私のほっぺに軽くキスをして、


「アメリーは今のままで十分美しいよ。それにとても頑張っていると、リンデル夫人がお母様にお伝えしていたよ。頬を膨らませるなんて、本当に可愛いなぁ」


蕩けそうな表情のノア兄様。

あ〜役得!

推しに抱っこされ、ほっぺにキスされ可愛いと頬擦りされるなんて、このまま死んでもいい!!いや、まだ堪能したいので死にたくない!

まずは、鼻血だけは吐かないように気をつけよう。

可愛くギュッとノア兄様に抱きついて至福の時を過ごす。


「ノア兄さん、お帰りになったばかりなんですから、お召し物でも取り替えてきたらいかがですか?」


子どもの声なのに、低くてちょっと怒気を孕んだかのような声に、そちらを振り向く。

すると、従者を連れたファーレン殿下が腕を組んで、兄様を見上げていた。


う〜〜ん、ちっちゃ!まだ5歳だもんね。

13歳のノア兄様と比べたらいけないけど、なんだかまだお子ちゃまが、背伸びをしているようにしか見えない。


「レン様、いらしてたんですね。お出迎えもせずに申し訳ありません」


「アメリー、いいんだよ。ファー様が勝手に来ているんだから。それに学園を出るときに着替えてきているから、愛しい僕の姫君が汚れることなんてないから安心して」


見せつけるようにノア兄様は私を抱く腕に力を込め、頬を寄せる。

何で見せつける必要があるんだ?!と不思議に思いながらも、大好きなノア兄様に抱きしめられるのが、嬉しくて嬉しくて私もギュッと抱きついてしまう。

あ〜幸せ!!

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